Nvidiaがマイニング専用プロセッサを投入、今後GPUのマイニング性能を人為的に制限

Nvidiaは、暗号通貨イーサリアム(Ethereum)のマイニング向けに設計されたプロセッサのリリースを計画しており、更に今後のGPUに関するマイニング性能に人為的な制限をかけようとしています。

Cryptocurrency Mining Processor(CMP)シリーズの初期モデルは、マイニングに特化しており、3月にリリースを予定しています。

イーサリアムが史上最高値を記録したタイミングに発表

CMPチップはグラフィックス処理を行わないとNvidiaは説明しています。ゲームに特化したGeForce GPUとは異なり、ディスプレイ出力も存在せず、マイニング中のエアフローが改善されるため、より高密度な実装が可能です。また、CMPはピークコア電圧と周波数が低く、マイニング時の電力効率は向上すると同社は述べています。

「特定のニーズの顧客向けにカスタマイズされた製品は、顧客に最高の価値をもたらす」と、GeForceのグローバルマーケティング責任者であるMatt Wuebbling氏は述べています。

「ゲーマー向けのGeForce RTX GPUを維持しつつ、我々はCMPでマイナーが最も効率的なデータセンターを構築できるよう支援する」

同時にNvidiaは、今後RTX 3060グラフィックカードでイーサリアムマイニングのハッシュレートを約50%抑制させようと計画しています。これは意図的にソフトウェアを操作し、暗号マイニングでの性能を悪化させる動きです。これは既存のGPU製品には影響しないと同社は述べています。

Nvidiaが特定の業界へのチップ販売を制限するために人為的な制限を施したのはこれが初めてではありません。2018年には、消費者向けのGeForce GPUに関するEULAを更新し、データセンターでの使用を禁止しました。代わりに、データセンター企業に向けて、非常に高価なエンタープライズ向けのGPUラインアップを推進しました。この動きは、GeForceがデータセンター向けに設計されていないことによるものと同社は主張しましたが、GeForce Nowクラウドゲームサービス用として、自社施設で同チップを使用し続けました。

Nvidiaは、新たなCMPチップは、2020年から2021年のほとんどの間在庫がないGeForce製品の生産には影響を与えないと主張しています。世界的な半導体不足によって引き起こされた供給制限は、ビットコインやイーサリアムが過去最高を記録した暗号通貨需要の急増によって更に悪化しています。

代わりに、Nvidiaは、新しい製品ラインと共にソフトウェアによる制限を掛けることで、将来のGeForceはゲーマーにのみ供給されることを保証すると主張しています。

今回新しい製品カテゴリを作る決定につながったかもしれないNvidiaにとっての別のメリットがあります。暗号通貨マイニングは、薄いマージンの上に作られた一時的な活況産業です。前回のビットコインバブルの間、GPUの供給は再び厳しく制限されましたが、ビットコイン価格が急激に下落したときに、マイナーは機器を一斉に売却することを余儀なくされ、安価なGPUが市場に氾濫しました。そして、中古のGPU価格が下落したため、Nvidiaの利益は大幅に減少し、新型GPU購入への魅力を低下させました。2018年第4四半期は、「途方もなく、異常に乱れた、期待外れの四半期だった」CEOのJensen Huang氏は当時このように述べていました。

今後、もしイーサリアムの価格が暴落した場合には、マイナーは他のマイナーにのみしかCMPを売却できなくなります。

Data Center Dynamics

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