WeTransferはAWS EC2 Auto-Scalingでサーバー排出量を78%削減

コンテンツのデリバリープラットフォームであるWeTransferは、2022年にサーバーの排出量を78%削減することに成功したと発表しました。

2011年にAmazon Web Services(AWS)に移行したWeTransferは、2年間の運用の後、ストレージとファイル送信にAmazon S3を使用していました。

WeTransferは2020年に、2025年までに排出量を30%削減することを誓約しました。2021年に同社は「カーボンニュートラル認証」を取得しましたが、AWSのカーボンフットプリントツールを使用して、同社のプラットフォームがAWSを使用することで発生する二酸化炭素排出量を追跡、測定、予測した結果、WeTransferは二酸化炭素排出量合計の91%がサーバーから発生したものであることが明らかになりました。

WeTransferのCSR責任者であるLina Ruizは、次のように説明しています。「ビデオ会議から電子メールの送信、広告の閲覧に至るまで、人々は自分の行動すべてがエネルギーを消費していて、そのエネルギーがCO2を排出していることを理解していません」

「誰もがあらゆることにデータセンターを利用しているため、携帯電話最優先の世界では、こうしたことがさらに緊急性を増しています。たとえ肉眼では見えなくても、今これらのサービスを最適化することは、将来の排出量に良い影響を与えるでしょう」

月間の有効ユーザー数は8000万人を超え、190カ国でデータを共有しているため、その規模は非常に大規模となっています。

WeTransferは、サーバー使用による二酸化炭素排出量を削減するため、必要な作業負荷に応じて計算時間を調整するAmazon EC2 Auto-Scalingに切り替えました。

WeTransferのCTOであるDan Contiは、次のように述べています。「WeTransferでは、実際に必要以上の計算時間やサーバー容量を確保することなく、他の作業負荷に使用できるため、環境への影響を抑えることができます」

WeTransferによると、2022年は2021年に比べてサーバー使用による排出量が78%削減されたと発表されています。

「使用量やビジネスの拡大に伴い、排出量も増加し始めました。この対策を実施し始めると、ビジネスが成長し続けながらも、サーバーからの排出量は全体的に減少しました。ユーザーのエクスペリエンスを変えるのではなく、使用可能なテクノロジーをいかに活用するかに注力している状況です」

数多くの大手企業が二酸化炭素削減を表明しています。先週、Climate Neutral Data Centre Pactは、2030年までにネットゼロを約束しているヨーロッパのデータセンタープロバイダーのリストを発表しました。このリストに含まれるAmazon Web Servicesは 「認証済み」としてリストアップされており、これまでのところ持続可能性へのコミットメントを遵守していることを意味します。

WeTransferはオランダに本社を置く企業ですが、米国のAWSのインフラを使用していることは注目に値します。

AmazonはPPAを購入する企業としては最大手ですが、今年の初めにOregonian紙が報じたところによると、Amazonはデータセンターや 暗号採掘業者にクリーンエネルギーへの移行を義務づける法案に反対するためのロビー活動を密かに行っていたそうです。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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