テレサットとTIMブラジルが低軌道衛星バックホールの実証実験を完了

カナダの衛星通信事業者テレサット(Telesat)と通信事業者のTIMブラジルは、低軌道(LEO)衛星を利用した衛星 バックホール の実証実験を完了しました。

両社は今週、テレサットのフェーズ1低軌道衛星を使って、いくつかのアプリケーションの軌道上テストを完了したと発表しました。

5日間のテストキャンペーンの間、両社は低軌道上での4Gモバイルデータのトラフィック性能を測定し、アップリンクとダウンリンクに85cmのIntellianパラボラアンテナを使用して、平均38msのラウンドトリップレイテンシを達成しました。

両社の報告によると、1080pのYouTubeビデオストリーミング、ビデオ会議、WhatsApp Voice over LTE、インターフェースの互換性など、テストが行われたすべてのアプリケーションは干渉やフェージング、パフォーマンスの低下なく効率的に動作したとしています。

テレサット・ブラジルの GMのMauro Wajnberg氏は次のように述べています。「カバレッジとネットワークの信頼性はモバイルユーザーにとって非常に重要だが、ブラジルのような国土が大きな国では提供するのが難しい場合がある。Telesat Lightspeedバックホール接続は、潜在的な加入者がどこに住んでいるかに関わらず、あらゆる加入者が安価に接続できる費用対効果の高いエンタープライズグレードのバックホールソリューションを求めるTIMブラジルのようなモバイル通信事業者に変革をもたらすだろう」

また、TIMブラジルのアーキテクチャ、イノベーション、テクノロジー部門ディレクターのSilmar Palmeira氏は次のように述べています。「このテストプログラムを通じて、テレサットのLightspeedは当社の4G/LTEおよび5Gネットワークの地理的な範囲を拡大するための有望な技術であると確信した。テレサットのフェーズ1低軌道衛星の性能は、当社の地上ネットワークに匹敵するモバイル環境を提供し、モバイルに最適化されたハードウェア・エコシステムを持つTelesat Lightspeedは、当社の将来のインフラの中核となる可能性を秘めていると考えている」

Lightspeedコンステレーションは、298基の衛星で構成され、合計15Tbpsの容量を持ちます。衛星1基あたりの重量は700キロで、テレサットは1つのターミナルで最大7.5Gbps、1つのハブ拠点で最大20Gbpsを提供する計画です。

テレサットの最初のLightspeed衛星は、約2年後に打ち上げられ、2023年後半には運用が開始される予定です。尚、プロジェクト全体のコストとしては50億ドルが必要とされています。

Data Center Dynamics

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