インテル、データセンター向けDPU新製品 Infrastructure Processing Unitを発表
インテルが、新しい製品ラインである「Infrastructure Processing Unit(IPU)」を発表しました。
このデバイスは、セキュリティ、ストレージ、ネットワークなどのインフラ固有の処理をオフロードするためのプログラマブル・プロセッシング・ユニットであるDPU(Data Processing Unit)の同社での名称です。これは、サーバー内のCPUやGPUに代わって処理を行い、CPUやGPUはコアアプリケーション処理に集中することができるようになります。
FPGA ベースのIPUは既に「複数のクラウドサービスプロバイダー」に導入されており、ASIC ベースのIPUは現在社内でのテストが行われています。両IPUとも、将来的に改良が加えられる予定です。
よりスマートなNICを目指して
インテルのデータ・プラットフォーム・グループのCTOであるグイド・アッペンツェラー氏は次のように述べています。「IPUは、新しいカテゴリーの技術であり、当社のクラウド戦略の戦略的な柱の一つである。IPUは、当社のSmartNICの機能を拡張したもので、現代のデータセンターにおける複雑性や非効率性に対応するよう設計されている」
「インテルは、お客様やパートナーとともにソリューションを創造し、革新することに専心しているが、IPUはこのコラボレーションを象徴している」
同社は、ハイパースケールクラウド・パートナー企業と共同でこのIPUを開発したと述べています。
マイクロソフトのプリンシパル・ハードウェア・エンジニアリング・マネージャーであるアンドリュー・パットナム氏は、次のように述べています。「マイクロソフトは、2015年以前から、再構成可能なSmartNICを複数世代のインテル・サーバーで使用し、Azure Accelerated Networkingなどのサービスを通じて、ネットワークとストレージ・スタックの負荷を軽減し、高速化することに取り組んできた」
「SmartNICにより、処理コアの解放、より高い帯域幅とストレージIOPSへの拡張、導入後の新機能の追加、そしてクラウド顧客への予測可能なパフォーマンスの提供が可能になる。インテルは設立当初から当社の信頼できるパートナーであり、このIPUが、未来のデータセンターに向けた業界の強力なビジョンを引き続き推進してくれることを嬉しく思う」
その他のIPUパートナー企業としては、Baidu、JD Cloud、VMwareなどがいます。ちなみにAmazonは、マルチコアのArm CPUを採用した独自のDPU「Nitro」を使用しています。またGoogleは、自社でSmartNICを開発していると考えられています。
IPU、そしてより広範なDPU市場は、CPUがデータセンターのワークロードにおける独占権を失ったことで生まれました。そしてサーバーがヘテロジニアス・コンピューティングになる中、GPUやAIアクセラレーターなどのプロセッサーの人気は高まってきています。
GPU大手のNvidaは昨年、MellanoxのSmartNICsラインを69億ドルで買収した後、DPUとしてリブランディングし、アップグレードすることで、DPUの分野に参入しました。
サンディア国立研究所とカリフォルニア大学サンタクルーズ校による研究では、Nvidia BlueField-2 DPUの導入に一定の価値があることがわかっていますが、まだ多くの限界があると指摘しています。
「BlueField-2は、ネットワークのエッジでデータを処理するための柔軟な手段を提供するが、ハードウェアに負担をかけないように細心の注意を払う必要がある」と研究者らは述べています。「ホストは簡単にネットワークリンクを飽和させることができるが、SmartNICの組み込みプロセッサは、カーネル空間のパケット処理を使用した場合、期待される帯域幅の半分以上を維持するのに十分なコンピューティングリソースを持っていない可能性がある」
研究者らは、少なくとも彼らのHPCニーズに対しては、「BlueField-2の優位性は少ない」と結論づけています。むしろ、メモリを多用するワークロード、暗号化/復号化、圧縮/解凍などに使用することに価値があるのかもしれません。
Data Center Dynamics
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