Apple, AIにNvidia GPUの代わりにGoogleのTPUを採用へ

Appleは人工知能(AI)モデルのトレーニングに、Nvidia GPUの代わりにGoogleのTPUを利用していることが明らかになりました。

Appleが最近発表した研究論文では、同社のAIツールのハードウェアとソフトウェア基盤の説明からNvidiaのチップが省かれています。

論文の中でAppleは、AIモデルのトレーニングには代わりにGoogleのTensor Processing Units(TPU)を使用していると詳述しています。

同社はiPhoneや その他デバイスのAIモデルに2,048基のTPUv5pチップを、サーバーAIモデルには8,192基のTPUv4プロセッサを利用しています。

TPUはGoogle Cloud Platform経由でアクセス可能で、Googleのカスタムチップです。2024年5月、Googleは第6世代TPU「Trillium」を公開し、これまでの世代に比べて4.7倍の計算能力向上と67%のエネルギー効率向上を実現したと発表していました。

Appleのエンジニアは、Googleのチップは、彼らの論文で議論されたものよりもさらに大きく、より洗練されたモデルの構築を容易にする可能性があると言及しています。

Apple Intelligenceと呼ばれるAppleのAIは、今週からベータ版ユーザーによるテストが開始される予定となっています。

Appleは以前からGoogle Cloudの利用顧客であり、同プラットフォームの単一最大のストレージ顧客であると考えられています。また、同社はTSMCと共同で自社製チップを開発していると報じられています。

ロイターは2024年6月、AppleがAIモデルのトレーニングにGoogleを利用していると最初に報じましたが、Nvidia製チップの不在が明らかになったのはAppleの最新論文のようです。

NvidiaはAIチップ市場の約80%を支配しています。同社は昨年、大幅な成長を遂げ、2024年6月には評価額が3兆3400億ドルに達しました。

これは、2023年5月に1兆ドルの評価を記録し、その後2024年2月に2兆ドルを記録したことに続く動きとなります。

こうした状況にもかかわらず、Nvidiaの株価は今月に入って打撃を受け、7月24日だけで6.8%下落しました。その原因の一部は、AIが生み出す収益に対する懸念だと言われています。

今月初め、ゴールドマン・サックスのリサーチ・ニュースレターは、大手ハイテク企業が生成AIの開発に巨額の投資を行っているにもかかわらず、持続可能なビジネスモデルを実証するには至っていないと警鐘を鳴らしていました。

同投資銀行は、今後1年間で約1兆ドルがAIインフラに費やされるだろうと見積もっているが、「キラー・アプリケーション」が出現したとしても、それが財務的リターンを生むかどうかは不透明だとしています。

Googleも同様に株価を下げ、今月は7.24%下落しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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