Cloud Carrier、HPC、AI、データ集約型ワークロードに特化した「次世代」データセンターを発表

オーストラリアの民間企業Cloud Carrierは、サザンハイランドデータキャンパス(SHDC)の開設を発表しました。オーストラリア初の液冷データキャンパスとして、同社はこれを「持続可能でエネルギー効率に優れたデータセンターの新時代を告げる画期的な動き」であり、オーストラリアのデータセンター・インフラにおける重要な進展であるとしています。67ヘクタールの敷地を持つ同キャンパスは、高密度かつ持続可能なソリューションに重点を置き、最大300MWまでの拡張能力を備えています。
 
キャンパスの最初の施設であるData Building One(DB1)は、従来の冷却方法とは一線を画す15MWの施設です。直接液体冷却(DLC)と液浸冷却を標準でサポートし、データセンターの効率と性能を大幅に向上させつつ、これまでにないラック実装密度を実現します。DLCはラックあたり100kW以上をサポートし、従来の空冷設備の12.5倍の密度を実現します。一方、液浸冷却では、タンクあたり160kW超が可能となり、実装密度を20倍に高め、限界をさらに押し上げます。
 
DB1は、人工知能(AI)、機械学習(ML)、高性能コンピューティング(HPC)などの要求の厳しいタスクを処理するよう設計されており、今日のデジタル・ニーズを実現するために必要な高密度実装を実現するのに必要なインフラが提供されます。
 
DB1の電力使用効率(PUE)は1.10と、従来のデータセンターより大幅に改善されています。この効率は、エネルギーの節約と二酸化炭素排出量の大幅な削減につながります。さらに、DB1は敷地内での水利用システムを特徴としており、水の消費量を大幅に削減することで、水道水使用量ゼロを達成し、全体的な持続可能性実現にも貢献しています。
 
「今後、企業や政府機関の高度なワークロードやデータ集約型アプリケーションに求められる、持続可能かつ効率的なデータセンター・インフラで貢献できることを楽しみにしている」と、同社はコメントしています。

W.Media ( Nick Parfitt記者)より抄訳・転載

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