中国のクラウド市場が2025年第1四半期に116億ドル規模に

アリババクラウドがトップシェア、HuaweiとTencent Cloudが続く

Canalysの調査によると、中国本土におけるクラウドコンピューティングの支出は、2025年の第1四半期に116億ドルに達しました。

これは前年同期比で16%の増加であり、CanalysはAI関連の需要がクラウド導入増加の主な要因であると指摘しています。

116億ドルのうち、Alibaba Cloud(アリババクラウド)の市場シェアは33%、次いでHuawei Cloudが18%、Tencent Cloudが10%と続いています。

Canalys(現在はOmdiaの一部)のシニアディレクターであるRachel Brindleyは、次のように述べています。「AIは、全面的にクラウド採用を加速させています。一方で、以前はオンプレミスのデータセンターに依存していた企業が、AIワークロードをサポートするためにクラウドに移行しています。」

「一方、既存のクラウドインフラを持つ企業は、AIを社内のデータやビジネスプロセスに統合する動きを強めており、GPU、IaaSサービス、基盤モデル機能に対する持続的な需要が高まっています。」

アリババクラウドは、中国で前年比15%増となり、AI関連のワークロードは7四半期連続で3桁成長を記録しました。同社は、こうした需要を背景に、中国本土以外にもプラットフォームを拡大するために多額の投資を行うことを表明しました。

同社は、「統一されたグローバルクラウドネットワーク」の開発に527億ドルを投じると発表しており、ここ数か月でマレーシアに新しいデータセンター、韓国に2番目のデータセンター、メキシコの新しい地域、タイに2番目のデータセンターを立ち上げました。

一方、Huaweiのクラウドは、前年比18%増となりました。また、独自のAIチップも製造しており、今年初めにAIチップ「Ascend 920」を発表し、5月には中国の顧客向けに910Cチップの出荷を開始しました。

市場シェア10%のTencent Cloudは、今年、アジア太平洋地域全体でクラウドの導入を促進することを目的に、日本で3番目のアベイラビリティゾーンとなる新しいクラウドリージョンを立ち上げ、中国本土以外でもプレゼンスを拡大しています。

AIが需要を牽引する一方で、米国は依然として中国による先端AIチップへのアクセスを制限することに尽力しています。今週初め、トランプ政権は、先端半導体が中国に密輸されるのを防ぐため、マレーシアとタイへのチップの出荷を制限することを検討していると言われていました。

Bloombergの分析によると、中国企業はNvidiaのH100およびH200チップを約11万5,000個調達しようとしており、これらのチップは中国への輸入が制限されています。現在建設中の新疆のデータセンターに、それらを収容する計画があります。

同国は、AI能力を向上させるために国産チップの開発を進めていますが、HuaweiのCEOは今年初め、「自社製のチップは米国製に比べ1世代遅れています」と述べました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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