コロケーション大手2022年第1四半期決算 ~デジタル・リアルティ、エクイニクス、American Tower、Iron Mountain

コロケーション大手上場企業の2022年第1四半期決算が発表されました。

エクイニクスとデジタル・リアルティの両社は、第1四半期に安定した1桁台の増収を発表しました。

エクイニクスはEntel社の買収を完了し、またワシントンDCとインド・ムンバイでの新データセンター建設の承認を行いました。

デジタル・リアルティはスイスのチューリッヒで 2.6 エーカーの土地を取得し、最大で14MWをサポートする計画です。また、フランスのパリでは 24 エーカーの土地を賃借し、そこでは約 144MWの容量をサポートする計画です。

Iron Mountain(アイアンマウンテン)は、第1四半期の好調を受けて、2022年のリース契約総額の予想を2倍以上に増やしました。

CyrusOne(サイラスワン)については、KKR/GIPによる買収が今四半期で完了したことで、同社は非公開企業となりました。

売却の可能性を検討していると報道されているSwitch IncとCyxteraは今月末に決算報告を行う予定となっています。

エクイニクス:堅調で安定的、ワシントンDCとムンバイに新データセンター

エクイニクスの四半期収益は17億ドルで、前四半期比2%増、前年同期比9%増となりました。

営業利益は2億6700万ドル、純利益は1億4700万ドル、調整後EBITDAは8億ドルでした。当四半期の資本支出は約4億1,300万ドルでした。

エクイニクスの社長兼CEOであるチャールズ・マイヤーズ氏は、次のように述べています。「2022年は素晴らしいスタートを切ることができた。当社が引き続き積極的に管理しているマクロ経済要因は数多くあるが、事業は引き続き非常に好調である。世界中の多様な分野の企業がデジタル変革を優先し、そしてサービスプロバイダーがその需要に応えてグローバルにインフラの革新、分散、拡張を続けているため、デジタルインフラに対する基礎的な需要は高まり続けている」

拡張に関しては、当四半期の中で米国とAPACでの新たな施設や拡張が承認されました。

新たに承認された施設の拡張は、アトランタの「AT1」フェーズ6および7(合計575ラック、4300万ドル)、ワシントンDCの「DC16」フェーズ1(合計3200ラック、1億9800万ドル、2023年第3四半期の稼働予定)、シドニーの「SY6」フェーズ2(合計500ラック、4300万ドル)、東京の「TY11」フェーズ4(675ラック)、ムンバイの「MB3」フェーズ1(1375ラック、8600万ドル、2024年第4四半期の稼働予定)などが挙げられます。

決算説明会では、CFOのキース・テイラー氏が、メキシコシティに開発用地を購入したことを明らかにしました。

注目すべきは、同社がxScaleハイパースケール施設の容量をこれ以上リースしないようで、2021年第4四半期から133MWのリース容量を維持することです。

「当社は、クラウドマクロ全体の展開に不可欠と思われる比較的少数のグローバルハイパースケーラーに注力し、重点的に取り組んでいる」マイヤーズCEOは決算説明会でこのように述べていました。

また今週、エクイニクスはEntelのデータセンター買収を正式に完了し、チリのデータセンター4か所を引き継ぎました。

デジタル・リアルティ:チューリッヒとパリで土地を購入

デジタル・リアルティの2022年第1四半期の収益は11億ドルで、前四半期比1%増、前年同期比3%増となりました。

純利益は7690万ドル、調整後EBITDAは6億300万ドルで、前四半期から3パーセント増加しましたが、前年同期比では2パーセント減少しました。

デジタル・リアルティは、スイスのチューリッヒにある 2.6 エーカーの土地区画を約 2100 万ドルで取得しました。このサイトでは、約 14MW の IT 負荷をサポートすると予想されています。

同社はまた、フランスのパリにある 24 エーカーの土地について、購入オプション付きの長期賃貸契約を締結しました。Canton de la Courneuveにある土地の賃貸と取得にかかわる想定投資総額はおよそ1億3,200万ドルで、そしてそこでは約144MWのIT負荷をサポートすると予想されています。

また、今年初めにブルックフィールド社とともにインドのチェンナイで購入した10エーカーの土地は、約100MWの開発をサポートする見込みであるとしています。

四半期末の直後、デジタル・リアルティは、アイルランド・ダブリンで8エーカーの土地を700万ドルで、スペイン・バルセロナで2.4エーカーの土地を1200万ドルで、そしてドイツのフランクフルトで34エーカーの土地を6400万ドルで取得しました。まだこれらの容量規模については明らかにされていません。

「デジタル・リアルティは、第1四半期に記録的な売上高を達成した。これは、データセンター・ソリューションに対する強い需要に牽引されたもので、全体的なファンダメンタル・ダイナミックと価格環境の健全化につながっている」デジタル・リアルティの A. ウィリアム・スタイン CEO はこのように語っています。「私たちはインフレや金利上昇に備え、リスク管理を積極的に行っている。当社の事業のレジリエンス力を考えると、顧客、株主、従業員に持続的な成長を提供し続けられる態勢が整っていると考えている」

同社は、GAAP基準の年間賃貸収入1億6,700万ドル相当の新規契約と、GAAP基準の年間賃貸収入1億7,700万ドル相当の更新契約を締結しました。リースの大半は米国の1MW以上の案件で、米国では77.3MW、85.2MW、合計で734,000平方フィートの契約を締結しました。尚、APACと欧州では合計で25.1MWと169,000平方フィートでした。

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