Hut 8が米国4拠点で1.5GW規模のデータセンター開発を計画

テキサス州、イリノイ州、ルイジアナ州内の4拠点を対象

HPCおよびクリプトマイニング向けデータセンターの開発企業であるHut 8は、米国内で新たに4つのプロジェクトを計画していることを発表しました。

今回の拡張により、テキサス州、イリノイ州、ルイジアナ州において、50MWから1GW規模までのユーティリティ電力容量を持つ施設が開発される予定です。これらの施設が商用化されると、Hut 8の管理下にあるプラットフォームの総容量は、19拠点で2.5GWを超える見込みです。

Hut 8のCEOであるAsher Genootは次のように述べています。「今回の拡張は、Hut 8が世界最大級のエネルギーおよびデジタルインフラプラットフォームへと進化する上での重要な一歩です。1.5GW以上の容量を独占契約から開発段階へと進めることで、プラットフォームの規模を倍増させ、エネルギー集約型ユースケースに対する需要の高まりに対応できる体制を整えます。」

「この拡張は、規模の拡大だけでなく、急速にエネルギー需要が高まっている市場での機会を捉えるために、地理的な展開を広げることも目的としています。これは、当社の長期的な成長戦略を支える複数GW規模のエネルギー開発パイプラインの第一段階に過ぎません。」

Hut 8は現在、総容量10.6GWのパイプラインを保有しており、うち約1GWが稼働中、1.5GWが開発中、1.25GWが独占契約下、6.8GWが評価段階にあります。

ルイジアナ州では「River Bendプロジェクト」が300MW規模となります。イリノイ州では「Project 4」が50MW規模、テキサス州では「Project 2」と「Project 3」がそれぞれ1GWと180MWの規模で展開されます。

各プロジェクトの開発スケジュールは公表されていません。しかし、Hut 8は最近DCDに対し、最新のデータセンター設計により、クリプトマイニング用とHPC(高性能コンピューティング)用のハードウェアを柔軟に収容できることを伝えており、設計変更は最小限で済むとのことです。

同社は今年3月、ルイジアナ州バトンルージュに592エーカーの土地を取得しました。

NASDAQ上場のHut 8は現在、米国とカナダで19以上のデータセンター拠点を運営または開発中で、その内訳はビットコインマイニング施設10件、HPCデータセンター5件、発電資産4件にわたります。2022年には、TeraGoからカナダのコロケーションデータセンター5件を取得し、2023年にはUS Bitcoinと合併しました。また、Highriseブランドを通じてGPU-as-a-Serviceも提供しています。

2025年4月には、米国のAmerican Data Centersの過半数株式を取得し、同社の経営陣(ドナルド・トランプ大統領の息子、エリック・トランプを含む)と提携し、合併完了後は「American Bitcoin」ブランドで事業を展開予定です。暗号資産マイニング部門は、Gryphon Digitalとの合併を通じて上場を目指しており、Hut 8は引き続きAmerican Bitcoinのハードウェアを自社データセンターでホスティングする予定です。

Hut 8によると、同社は現金、ビットコイン、信用枠、ATM株式プログラムなどを含め、最大24億ドルの流動性を支える資産と資金調達枠を保有しており、これには、1万BTC以上、2億ドルのリボルビング・クレジット枠、10億ドルのATMプログラムが含まれるとのことです。

Hut 8は2025年第2四半期の決算で、売上高4,130万ドル、純利益1億3,750万ドル、調整後EBITDAは2億2,120万ドルを記録しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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