
英国のデータセンター、「地域社会への説明不足」によって停滞
大西洋の反対側で物議をかもすデータセンター建設
英国におけるデータセンターの計画は、「地域社会への説明不足」によって遅延していると、英国のエンジニアリングコンサルティング企業Hoare Leaが報告書で指摘しています。
この報告書は、OpenAIがエネルギーコストや規制などの「適切な条件」が満たされていないことを理由に、310億ポンド(416億ドル)規模のStargate UKデータセンター投資計画から撤退を決定してから数週間後の4月23日に発表されました。
Hoare Leaが国内の名称非公開のデータセンター建設計画申請33件を分析したところ、計画許可を取得するまでの平均期間は490日、すなわち約1年半であることが分かりました。
調査対象となった33プロジェクトの中で、最も長い計画期間は5年強でした。
ただし、この報告書では各プロジェクトの元データが提供されていません。そのため、プロジェクトの計画期間がどの程度特異な事例であるかどうかは不明です。
データセンター建設への反対理由として、33件中32件が環境への懸念でした。これに続いて、「地域社会への説明不足」と「申請に対する個人的な感情」が、それぞれ26件でした。
Hoare Leaは、「最も長い計画遅延の原因は、地域社会への説明不足や、地域に対する利益還元説明の不足、設計上の問題、地域インフラの不足、そしてエネルギーおよび電力供給に関する懸念に集中していました」と述べています。
33件の申請のうち9件は却下され、いずれのケースにおいても、地域の政策要件を満たしていないことが理由とされました。また、そのうち7件では、立地場所が不適切であるとの懸念が示されました。
英国では、政府がAIブームの活用を一層推進しているなか、データセンターはますます論争の的となっています。
近年では、地方議会により否認された物議を醸すプロジェクトを強行するため、政府が計画案件に「コールイン(介入)」するケースが一般的になっています。
2024年12月には、当時の住宅・地方自治大臣であるAngela Raynerが、バッキンガムシャー州Court Lane 工業団地における140MWの開発計画について、地方議会の拒否判断を覆して承認しました。さらに2025年、Raynerはハートフォードシャー州のAbbots Langleyと Slough.の2件のプロジェクトでも同様の判断を行いました。
現職の大臣であるSteve Reedも同様の対応を行っています。バッキンガムシャー州のデータセンター建設計画とロンドンのBrick Laneにある歴史的なTruman 醸造所跡地での4MW計画は政府によって承認されました。ただし、前者のプロジェクトについては、その後法的支援団体Foxgloveによる異議申し立てを受け、否決されています。
一方で政府は、データセンター開発事業者が地方議会を迂回できる仕組みも整備しています。具体的には、政府に直接計画許可を申請できる「開発許可命令」を可能にしています。
2026年3月には、Steve Reed大臣が、バッキンガムシャー州で計画されている300MWのデータセンターの手続きによる審査を許可しました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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