Crusoeが2026年後半にStarcloudの衛星データセンターへ展開

2027年から宇宙でGPU提供開始へ~Starcloud、来月に初の試験打ち上げをすべく準備中

ネオクラウドの Crusoeが、宇宙を目指します。

同社の機材は、2026年後半に打ち上げ予定のStarcloud衛星に搭載され、2027年初頭から宇宙空間で限られたGPU容量の提供を開始する予定です。

この提携は、今年11月に打ち上げが予定されている「Starcloud-1」衛星に先立って発表されました。
この衛星は小型冷蔵庫ほどのサイズで、重量は約60kgです。そこにNvidiaのH100 GPUを搭載し、宇宙空間でのコンピューティングのコンセプトを試験することを目的としています。

衛星はAstro Digitalの「Corvus-Micro」バスをベースにしており、ミッション期間は約11か月で、その後、高度325kmの軌道から離脱し、大気圏で燃え尽きる予定です。

試験が成功すれば、Starcloudはさらに大規模な宇宙データセンターの構築を目指しており、4平方kmの太陽光パネルで電力を供給する5GW級の衛星データセンターの構想も打ち出しています。

Crusoeによる今回の展開規模は、まだ明らかにされていません。

StarcloudのCEOであるPhilip Johnstonは、次のように述べています。「Crusoeが我々のプラットフォームの基盤となるクラウドプロバイダーであることは、ビジョンと実行力の完璧な一致です。Crusoeの堅牢で効率的かつスケーラブルなコンピューティング技術は、宇宙での新たな時代を切り開く理想的なパートナーです。私たちは、単なる宇宙データセンターではなく、研究・発見・イノベーションの可能性を広げる新しいクラウドコンピューティングのカテゴリーを構築しています。」

Crusoeの共同創業者で社長兼COOのCully Cavnessは、次のように語っています。「当社では、宇宙がコンピューティングの未来にとって重要になると考えています。なぜなら、AIインフラの拡張における主要な制約である『豊富で安定したクリーンエネルギーの確保』に対して、宇宙が新たな解決策を提供できるからです。」

さらに10月23日、CrusoeがMubadala CapitalとValor Equity Partners主導の資金調達ラウンドで14億ドルを調達し、企業評価額が100億ドルに達したとの報道も出ています。

宇宙空間へのデータセンター展開を計画している企業は他にもあり、Axiom SpaceNTT、Ramon.Space、Sophia Spaceなどが名を連ねています。

今年初めには、スタートアップのLonestarが月面に小型データセンターを設置し、DCDの記事を掲載しました。

また今月初めには、Amazon創業者Jeff Bezosが、「10年以内に宇宙にGW級のデータセンターを構築する可能性」について言及し、Google元CEOのEric Schmidtは「それが理由でロケット企業Relativity Spaceを買収した」と語っています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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