Microsoft Azure Space、SpaceXやSESと提携
マイクロソフトは、新事業部門「Azure Space」を立ち上げ、地球外への事業拡大の野心を拡大します。
この新たなイニシアチブの一環として、マイクロソフトはSpaceXのStarlinkインターネットサービスと提携し、また衛星運用事業者SESとの既存パートナーシップを拡大します。
Azure Spaceの推進に向けて、元DARPA(国防高等研究計画局)のWilliam Chappell氏、元ホワイトハウス国家安全保障会議(National Security Council)宇宙政策担当ディレクターの Chirag Parikh氏、元国防総省の宇宙政策担当次官補の Stephen Kitay氏らがマイクロソフトに合流しました。
新たな宇宙開発競争
マイクロソフトは、Azure Spaceを「宇宙コミュニティへのミッションニーズにおける最適なプラットフォーム及びエコシステム」にしていくと、AzureグローバルVPのTom Keane氏は述べています。
マイクロソフトとのパートナーシップにより、SpaceXはAzureで衛星を利用したインターネット接続を提供し、マイクロソフトが先日新たに発表したモジュラー型データセンターへの接続を支援します。
SpaceXは、約12,000基のStarlink通信衛星を打ち上げる承認をFCCから得ており、その後さらに30,000基の打ち上げ許可を申請しています。現在同社は、約800基の衛星を運用しており、まもなく北米でパブリックベータトライアルが公開されます。
マイクロソフトとSpaceXはまた、米軍との1億4900万ドル規模の契約に関して協業します。SpaceXは、弾道ミサイル、巡航ミサイル、極超音速ミサイルの検出や追跡を行うSpace Tracking Layer防衛システムの一部として、4基の実験衛星の構築と打ち上げを予定しています。マイクロソフトは、このプロジェクトの下請業者及びクラウド事業者として機能します。
マイクロソフトは一方、SESとのパートナーシップにおいて、同社のO3b MEOコンステレーションを利用し、クラウド データセンター リージョン とクラウドエッジデバイス間の接続性を拡張します。両社は先月、新たな地上局の合弁事業であるAzure Orbitalの一部として提携を発表しました。
マイクロソフトは、衛星ネットワークの管理を支援するAzure Orbital Emulatorのリリースも計画しています。「商業組織および政府宇宙組織は、軌道上で最適なネットワーク接続や運用範囲を確保するために、精密な計画や高度なAIドリブンのフォーメーションプロトコルを必要とする、何千もの相互接続された衛星コンステレーションを開発している」とKeane氏は述べています。
「Azure Orbital Emulatorは、ソフトウェアとハードウェアを使い、大規模な衛星コンステレーションをシミュレーションするエミュレーション環境です。これにより、衛星事業の開発者は、単一衛星の打ち上げ前でもAIアルゴリズムや衛星ネットワーキングの評価及びトレーニングができるようになる」
マイクロソフトの宇宙への野心は、AmazonのAerospace and Satellite Solutions (ASS)事業部門及び地上局部門が展開する事業に対抗する動きです。但し、Amazonは自社独自のメガコンステレーションも計画しています。Project Kuiperは、低軌道を3,236基の衛星で覆い、SpaceXなどと直接競合します。
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