HPEがポーランドの大学研究機関Cyfronet向け35ペタフロップスのスパコン構築

ポーランド、クラクフにあるAGH大学の学術コンピューター・センター Cyfronetは、HPEの新スーパーコンピューター「Helios」の導入により、スーパーコンピューティング能力を大幅に向上させます。

HeliosはCyfronetの第5世代スーパーコンピューターで、東欧諸国では最速のシステムとなります。より高い性能とエネルギー効率により、天文学、医学、気候保護におけるAI主導の科学研究を推進することが期待されています。

このスパコンは、理論ピーク性能35ペタフロップス、ピークAI性能1.8エクサフロップスを実現し、Cyfronetの従来のシステムよりも4倍以上高速です。また、エネルギー消費を抑えるために、直接液体冷却を採用しています。

HPE Cray EXアーキテクチャに基づくこのスーパーコンピュータは、3つのパーティションを備えています。

1つ目は、計算流体力学などの従来の計算科学研究に特化したパーティションで、第4世代AMD Epycプロセッサの75,264 Zen 4コアと、200テラバイトのDDR5メモリで構成されています。

2つ目は、生成AIなどのAIアプリケーションや大規模AIトレーニングをサポートするNvidia GPUで構築されたもので、440個のNvidia GH200 Grace Hopper Superchipが搭載されています。

3つ目は、ビッグデータ処理、AIモデルのチューニング、AI推論用のパーティションで、24個のNvidia H100 Tensor Core GPUと高速NVMeローカルストレージが搭載されています。

スーパーコンピューターのすべてのコンポーネントは、200Gbpsの高性能ネットワークを提供するHPE Slingshotで相互接続されています。

アカデミック・コンピューター・センター Cyfronetの責任者であるKazimierz Wiatrは次のように述べました。「過去50年間、Cyfronetはポーランドの科学の発展に貢献し、その計算能力を複数の研究者や研究機関に提供することで、より複雑で正確な結果を短時間で得られるようにしてきました。」

「そのためには、最先端のアーキテクチャ、高い計算能力、AI機能を備えた新しいスーパーコンピュータを構築する必要がありました。世界最速のクラスターで使用されているHPE Cray EXは、正しい選択でした。」

Heliosは、Cyfronetに既にあるAthena(7.7 ペタフロップス、2022 年)、Ares(Huawei、3.5 ペタフロップス、2021 年)、Prometheus(HPE、2.7 ペタフロップス、2015 年)などに加わることとなります。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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