Vantageが欧州・中東・アフリカデータセンター開発に7億5000万ユーロの資金調達

Ares、CDQP、Schrodersと提携

Vantage Data Centersは、ヨーロッパとアフリカでの事業拡大のため、新たな資金を確保しました。

Aresのインフラストラクチャー・デット&オルタナティブ・クレジット戦略、 カナダの年金基金Caisse de depot et placement du Quebec(通称CDPQ)と、Schroders Capitalのプライベート・デット&クレジット・オルタナティブ・チームは今週、Vantage Data CentersのEMEAプラットフォーム拡大のため、最大7億5,000万ユーロ(8億1,300万ドル)の資金調達に合意したと発表しました。

AresとCDPQは、それぞれ最大3億ユーロ(3億2,530万ドル)を提供し、 Schroders Capitalは、最大1億5,000万ユーロ(1億6,200万ドル)を提供する予定です。

今回の資金調達は、増資と合わせてVantage EMEAの、データセンター・ポートフォリオの成長を支援します。

Vantage Data Centers EMEAのNick Haslehurst 最高財務責任者(CFO)は、次のように述べています。「AIを含むハイパフォーマンスコンピューティングや、クラウド導入によるデジタルトランスフォーメーションが、かつてない規模で進んでいる今Vantageは、高品質で持続可能なデータセンターで拠点を拡大し続け、顧客の需要に対応できる体制を整えています。」

VantageのEMEAフットプリントは現在、ロンドン、フランクフルト、ベルリン、ミラノ、ワルシャワ、チューリッヒ、カーディフ、ダブリン、ヨハネスブルグを含むヨーロッパと、南アフリカにまたがる14のキャンパスで構成されています。完全な開発が完了すればこのポートフォリオは、合計751MWのIT容量を生み出すことを目指しています。

Ares Infrastructure Debt Europe担当責任者であるRoopa Murthyは、「わが社は、大きな需要が見込まれる欧州・中東・アフリカ地域においてミッションクリティカルなデジタルインフラを、提供するVantageの次の成長段階を支援できることを嬉しく思います」と語っています。

Ares European Alternative Credit共同責任者のEli Appelbaumは、次のように述べています。「この革新的な資金調達は、堅牢なキャッシュフロー特性を持つ高品質なプラットフォームに対し、スケーラブルなソリューションを提供するAresの能力を実証するものです。」

1997年に設立されカリフォルニアに本拠を置くAresは、3000億ドル以上の運用資産を保有しています。2022年EdgeConneXは、Ares Management Corporationのインフラストラクチャーデット部門が運用するファンドから、持続可能性に連動した10億ドル以上の、デット・ファイナンスを確保しました。CDPQは、カナダの事業者eStruxtureに投資したことがあります。Schroders Capitalの運用資産は、930億ドルを超えています。

CDPQのEVP兼債券部門責任者であるMarc Cormierは、次のように述べています。「AIの導入と、クラウド容量に対する需要が加速し続ける中Vantageは、データセンターキャンパスの、多様なグローバルプラットフォームを通じて、市場をリードする地位を築いてきました。この追加の柔軟な資本調達は、Vantageの欧州における戦略的能力を強化するものであります。CDPQの電気通信および、デジタルインフラストラクチャー分野での実績に基づくものです。我々は、長期的な価値を生み出しながら、相互接続された経済のバックボーンを形成する重要なデジタルインフラの成長や、投資に引き続きコミットしていきます。」

Vantageは2017年に、DigitalBridgeに買収され、同社は2020年に、Etix EverywhereとNGDを買収してヨーロッパに進出しました。

DigitalBridgeは2023年3月に、Vantageの少数株式を売却する意向を初めて発表しました。2023年4月には、MEAGとInfranityによるVantage EMEA事業の投資コンソーシアムを結成しました。昨年末AustralianSuperは、Vantage EMEAに、15億ユーロ(16億ドル)を投資しました。今週、Silver LakeとDigitalBridgeは、Vantage Data Centersに64億ドルを投資しました。

同社は最近、カーディフデータセンターを担保に、6億ポンド(7億5100万ドル)の証券化資金を調達しようとしています。私たちの生活はデジタル化され、デジタルインフラへの依存度はますます高まっています。

Schroders Capitalのインフラ債権投資部門共同責任者でファンドマネジャーのAugustin Segardは、次のように述べています。「今回の投資は、重要なインフラに長期的な資金調達ソリューションを、提供する当社の専門性が発揮されたデジタルインフラ分野における変革プロジェクトを、支援するという当社のコミットメントを反映したものです。私たちは、Vantage EMEAの、高品質なポートフォリオの成長に貢献し、投資家の皆様に長期的な価値をもたらしながら、データセンターの需要の増加に対応し、支援できることを嬉しく思います。」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Caféが日本向けに抄訳したものです。

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