Google、Mandiantを54億ドルで買収し、Google Cloud再編しサポートスタッフを解雇

Googleは、Google Cloudのサポートエンジニアの一斉解雇と組織再編を発表し、サイバーセキュリティ企業のMandiantを54億ドルで買収して、クラウドベースのセキュリティ提供を強化しました。

Business Insiderによると、数十人のGoogle Cloudサポートスタッフが、自分たちの役割を打ち切られることを告げられたようです。

BIによると同社は先週、関連する従業員に電子メールで彼らの役割を廃止し、一部のリージョンの他のチームを統合し、一部の業務をベンダーに移行することを通知したとのことです。

今回の削減は、カリフォルニア、オースティン、チューリッヒ、シドニーのテクニカルソリューションエンジニアと呼ばれるサポートスタッフ、そして2020年初頭にGoogleが24億ドルで買収したデータ分析企業Lookerを含む多くのクラウド製品に影響します。

職を失う従業員には、社内で新しい職に異動するための60日間が与えられています。社内で異動しない従業員には、退職金が支払われると報じられています。

Googleのクラウドサポート担当副社長Atul Nandaは、木曜日に従業員に宛てたメールの中で、「長期にわたってGooglerを幸福にし改善することができる持続可能な運営モデルを構築するために、いくつかの仕事をサポート拠点やベンダーに移す戦略を加速し、さらなる効率性を生み出すために業務を再構築しています」と書いています。「組織再編は難しいことだと認識しており、軽々に決断したわけではありません。」

サポートスタッフに送られた別のメールでは、従業員は、Googleがサポート組織を4つのチームに再編成することを伝えられました。Google Cloud、Looker、Workspace（旧G-Suite）、M&Aの4つのチームです。

Googleの広報担当者は、BIの声明で次のように述べています。「Google Cloudが成長するにつれて、顧客に最高のサービスとサポートを提供するためのアプローチを頻繁に評価しています。本日発表した変更により、現在そして将来にわたって顧客のニーズに応えるための適切な人材、パートナー、システムを確保することができます。」

Googleは第4四半期にクラウドの売上を前年比45％増の55億ドルに伸ばし、過去最高の年となりました。しかしクラウド部門は依然として収益性が低く、ライバルのAWSやMicrosoft Azureに引き離されています。2021年の売上高は190億ドルだが、Google Cloudは昨年30億ドル以上の損失を出し、過去4年間では176億ドル以上の損失を出しています。

最近のInformationの報道によると、Google CloudのCEOであるThomas Kurian氏は最近、社内の全員参加の会議で、クラウド部門が「今年後半には黒字化する」との見通しを同僚に語ったと、このイベントに参加した関係者は述べています。

BIは以前Google Cloudがコスト削減のため、メキシコシティでカスタマーサポート職の採用に力を入れていると報じました。

今回のニュースは、Googleがクラウドベースのセキュリティサービスを強化するため、サイバーセキュリティ企業の  Mandiant  を史上2番目の買収額となる54億ドルで買収すると発表したことを受けてのもの。

Mandiant  は2004年に設立され、2013年にFireEyeと合併した後、昨年分離した企業で、多くの脅威の検出と対応サービスを提供しています。買収完了後、MandiantはGoogle Cloudに参加する予定です。

Google CloudのCEO トーマス・クリアン は、「これまで主要な政府機関を標的としていた攻撃の精巧さと深刻さが、あらゆる業界の企業を標的にするようになり、世界中の組織がかつてないサイバーセキュリティ上の課題に直面しています。 Mandiant  をGoogle Cloudに迎え、当社のセキュリティ運用スイートとアドバイザリーサービスをさらに強化し、お客様の最も重要なセキュリティ課題への対応を支援できることを楽しみにしています」と述べています。

「サイバーセキュリティにおいて、これほど危機的な時期はありません。2004年の創業以来、 Mandiant の使命は、サイバー攻撃と戦い、最新の脅威からお客様を守ることです」と、 MandiantのCEOであるケビン・マンディアは述べています。「そのために、Google Cloudと手を組むことになり、大変嬉しく思っています。私たちは専門知識とインテリジェンスを大規模に提供し、セキュリティ業界を変えていくでしょう。」

マイクロソフトも Mandiant 買収の候補に挙がっていましたが、議論から手を引いていました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。