オラクルがCernerを買収、医療IT企業をオラクル・クラウドに移行へ

それが、顧客を獲得するひとつの方法

オラクルは、同社として過去最大となる買収案件となる医療IT企業Cerner買収を実施します。

同社は1株当たり95ドル、株式価値にして約283億ドルでの買収を予定しています。

Cernerは、病院向けにコンピュータ化された医療システムや電子カルテの開発を行っており、Epic Systems Corp(エピック・システムズ社)やAthenahealth Inc(アテナヘルス社)と競合しています。

「この買収に伴い、オラクルの企業使命は拡大し、過重労働を強いられている医療専門家らに、ハンズフリーの音声インターフェースから、安全なクラウドアプリケーションにアクセスできる、より使いやすい新世代のデジタルツールを提供するという責任を引き受けることとなる」オラクルの会長兼CTOのラリー・エリソンはこのように述べています。

「この新世代の医療情報システムは、医療従事者の負担を軽減し、患者のプライバシーと治療成果を向上させ、医療費全体を削減することを約束する」

Cernerはこれまで、何百万人もの市民の医療データを自社データセンター内に保管してきました。しかし2019年、同社は一部のワークロードをAmazon Web Servicesに移行する計画であることを発表し、クラウドへの移行を開始しました。

当時、Cernerの会長兼CEOであったブレント・シェーファーは、「アマゾンやAWSとの連携は、Cernerの新たなページに向けた重要な要素である」と述べていました。

「私たちがCernerの変革に取り組む中で、アマゾンおよびAWSと力を合わせることで、Cernerをより俊敏にし、より迅速かつスケーラブルかつ安全なソリューションを顧客や患者に提供するという私たちの戦略を後押ししてくれる。今回のアマゾンおよびAWSとのコラボレーションにより、ヘルスケアの未来をリードし、変革するイノベーションの新しい波が生まれることを期待している」

しかし現在、オラクルは、今回の買収によりそれを同社のクラウドプラットフォームへ移行させようと期待しています。

「オラクルのAutonomous Database、ローコード開発ツール、Voice Digital Assistantユーザー・インターフェースはCernerのシステムを迅速に近代化させ、そして当社のGen2 Cloudに移行することができるようになる」オラクルのバーティカル・インダストリー部門EVPのマイク・シシリアはこのように述べています。

「これは、Cerner最大のビジネスシステムであり、最も重要な臨床システムがすでにOracle Database上で稼働しているため、非常に迅速に実現することができるのです。変更するのは、ユーザー・インターフェースです。オラクルのハンズフリー音声デジタル・アシスタントをCernerの臨床システムの主要インターフェイスとすることで、Cernerのシステムをより習得しやすく、使いやすくすることができます。これにより、医療従事者はコンピューターのキーボード入力の時間を減らし、患者のケアにより多くの時間を割くことができるようになります」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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