GoogleがAIクラウド向けにTPUを提供

Fluidstackなどの企業がチップを導入へ

Googleは、自社開発のAI向けチップTensor Processing Unit(TPU)を、他のクラウドプロバイダーにも提供する方針を進めていると報じられています。

これまでTPUは、Google内部でのみ使用されていましたが、戦略転換により外部への展開が始まります。

The Informationの報道によると、GoogleはCrusoeやCoreWeaveなどの「ネオクラウド」と呼ばれる新興クラウド企業に接触しており、ロンドン拠点のFluidstackはすでに契約を締結しています。Fluidstackは、Terawulfから借り受けたニューヨークのデータセンターにTPUを導入予定です。Googleはこの契約において、32億ドルの財務支援を行い、Fluidstackの株式約14%を取得しています。

DCDは、FluidstackとGoogleの両方にコメントを求めてます。

CoreWeaveとのTPU提供契約はまだ確認されていませんが、2025年6月にはCoreWeaveがGoogle Cloudに計算能力を提供するとの報道があり、OpenAIとの契約の一環としてTPUの利用が含まれる可能性も示唆されています。

GoogleのTPUは、AI ワークロード向けに最適化されたチップです。最新のTPU「Ironwood」は、2025年4月に発表された第7世代モデルで、192GBの高帯域メモリ(HBM)と7.4Tbpsの転送速度を持ち、前世代「Trillium」と比べて6倍の性能向上を実現しています。チップ間接続(ICI)も1.2Tbpsで、1.5倍の改善がされています。

TPUの既存ユーザーにはApple、Anthropic、Safe Superintelligenceなどが含まれています。

マイクロソフトやAmazonも独自のAIアクセラレータチップを開発していますが、現時点では自社データセンター以外のクラウド事業者には提供していません。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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