英国のスタートアップがQuantum Computing-as-a-Serviceの提供を開始

Oxford Quantum Circuits(OQC)は、英国初のQuantum Computing-as-a-Service(QCaaS)プラットフォームを発表しました。

オックスフォード大学が運営するこの企業は、2次元の回路ではなく、3次元のアーキテクチャを採用したCoaxmonテクノロジーにより、製造を簡素化し、量子システムのコヒーレンスを向上させ、スケーラビリティを高めることができるとしています。同社によると、QCaaSプラットフォームはプライベートクラウドを通じて提供され、パートナーや顧客により “量子のさらなる実験 “に利用されることになるだろうと話しています。

OQCのCEOであるイラナ・ウィズビー博士は次のように述べています。「QCaaSプラットフォームの提供開始は、Oxford Quantum Circuitsの歴史においての目覚ましい成果であるだけでなく、英国および世界における量子コンピューティングの可能性を引き出すための重要なマイルストーンでもある。当社のQCaaSプラットフォームを戦略的なパートナーや顧客に広く提供することで、世界の主要企業に、量子がそれぞれの業界にどれほど大きな影響を与えるかを示す機会を提供する」

量子ソフトウェアおよびセキュリティ企業であるCambridge Quantumは、同社のIronBridgeサイバーセキュリティ・プラットフォームを実証するため、プライベート・クラウドへのアクセスを許可される最初の企業となります。Cambridge Quantumは、レディングのテムズバレー・サイエンスパークにある同社の研究所に設置されているOQCの4量子ビットのSophiaシステムへのアクセスが与えられます。

Cambridge Quantumのイリヤス・カーンCEOは次のように述べています。「OQCの最初の商用製品に協力できることを嬉しく思う。イラナと彼女のチームは、英国のハードウェア分野における最高の人材を代表している。また、これまでほとんどステルス状態にあった企業が量子プロセッサを大胆に発表したことは、英国の量子技術分野の深さと多様性を再認識させるものです」

OQCは、クラウドを通じて量子システムへのアクセスを提供する英国初の企業ですが、世界的には多くの企業が同様の商用サービスを提供しています。

IonQは、32量子ビットのシステムへのアクセスを、Google自身のハードウェアに先行して、Google Cloudを通じて提供しています。(AWS、Microsoft Azureにも同様)

またIBMは、ニューヨークのデータセンターに設置された20台以上の量子システムへのアクセスを、クラウドベースのWebポータルを通じて提供しています。同社によると、現在150の組織がクラウド経由で同社の量子システムにアクセスしているといいます。同社はオンプレミス環境への量子コンピュータの導入も開始しています。最近では、ドイツのフラウンホーファー研究機構に1台、米オハイオ州のクリーブランド・クリニック医療センターに1台を納入しており、今後数カ月以内に日本の自社施設にも1台納入する予定です。

インスブルック大学については、標準的な19インチのサーバーラック2台に収まる量子コンピュータを開発したと最近発表しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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