世界のデータセンターの再エネ対応状況まとめ【特集】

ノルウェーでは、Green Mountainが水力発電で稼働するデータセンターを運用しています。

カナダのマイナー、Hive Blockchain社が構築中のノルウェーのKolosデータセンターは 水力発電による100%再生可能エネルギーで稼働する予定のようです。

Vodafoneは、アイスランドに大規模データセンターを開設。 1年のほとんどを冷却なしで運営できる見込みであるとしています。

変わった試みとして、 ドイツの風力タービン事業者WestfalenWind-Groupは、データセンターを風力タービン内に設置しており、興味深いです。

海外の事例② 北米

GAFAを筆頭に、多くのハイパースケーラーを擁する米国は、積極的に再生可能エネルギーへの転換を進めているように見えます。しかし米国最大のデータセンター集積地であるヴァージニア州での発電は依然として化石燃料が主流であり、再生可能エネルギー由来のものは5%未満で、米国内の他の地域にも遅れをとっています。 米国全体で見ても、再エネ利用はヨーロッパに比べ遅れています。

しかし、ネバダ州やアリゾナ州など、税優遇措置を設ける州では再エネデータセンターへの投資が活発です。

ここではハイパースケーラー以外の事業者の再生可能エネルギー関連の最近の取り組みを紹介します。

【参考】Iron Mountainが100%再エネのフェニックス第2センターを開設

2019年5月に、QTS社は、イリノイ州シカゴおよびニュージャージー州ピスカタウェイのDCで100%再エネ供給に向けての10年間の電力購入契約に調印しました。

同年7月には米国アトランタに本拠を置くT5 Data Centers (T5) が ソーラーアレイ を構築する契約を締結。

つい先日には、米Iron Mountain社が100%再エネ稼働のフェニックス第2センターを開設 しました。 現在のフェーズ1では4MWですが、最終的には48MWの容量となる計画です。 同社は再生可能エネルギーの100%利用に非常に積極的な企業の一社です。

米国ラスベガスを拠点とするSwitchは、2015年に米国政府ホワイトハウス主導の American Business Act on Climate Pledge(米ビジネス気候変動対応行動誓約) に参加しており、再生可能エネルギー PPA ( Power Purchase Agreement=電力販売契約)を通じて使用電力のすべてを100%太陽光発電により調達しています。

興味深い事例としては、ソーラーインフラ関連企業のペガサスグループ・ホールディングス及び プラスマイナスパワー という謎の企業が、米アリゾナ州モハーヴェ郡におよそ3000億円超規模の 340MWソーラー発電データセンタープロジェクトを打ち出していました。

海外の事例③ その他

中国国内のデータセンターは2017年に120TWHを超える電力を消費し、エネルギー消費は毎年30%の驚異的な割合で増加するだろうと推定されています。 公害を減らし、大気の質を改善するという目標を掲げ、中国政府は過去10年にわたり再生可能エネルギーへのシフトに着手し、 2017年には世界の再生可能エネルギー投資の45%以上を占めたようです。 中国のNational Energy Administrationは、2020年までに風力と太陽光の削減を大幅に削減する目標を設定しました。 今後は再生可能エネルギー大国として伸びていくかもしれません。

オーストラリアでは、2018年8月に、DC Two(とその子会社D Coin)が、太陽光エネルギーのみによって電力供給される暗号通貨マイニングに特化した施設を建設しました。

インドでも最近政府が、再生可能エネルギーの容量を2022年までに175万キロワットにまで拡大するという目標を掲げ、 再エネへのシフトを強めています。

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