フィンランドのMerikarviaにプレハブデータセンター設置、地域暖房ネットワークに電力を供給

データセンターの熱で閉鎖製材所の出力を代替

フィンランドのMerikarviaに、地域暖房計画の一環としてデータセンターが設置されます。

Merikarvia自治体とVatajankoski Oyは4月、Merikarviaに1.5MWのデータセンターを建設し、施設の廃熱を地域の地域暖房ネットワークで利用することで合意しました。

Merikarvia自治体は3月上旬、地元の木材会社Metsä Fibreから、現在は閉鎖されている製材所を買収しました。この製材所は昨年、操業を停止しており、12ヘクタールの敷地は、72万5000ユーロ(約8億2660万円)で買収されました。

Merikarviaはフィンランドの自治体で、同国西部のサタクンタ県に位置します。

同自治体は、製材所跡地の一部をデータセンター用に地元のエネルギー企業Vatajankoski Oyに賃貸しています。Vatajankoskiは、Merikarvia市中心部に地域暖房を配給する自治体所有の地域暖房会社、Merikarvia Lämpö Oyに熱を供給します。

目標は、2025年初秋までにデータセンターで熱を生産することです。地元紙のSatakunnan Kansaによると、プレハブ式モジュール施設はすでに設置され稼動しているものの、熱ネットワークにはまだ完全に接続されていないとのことです。

Vatajankoskiの生産ディレクターであるLauri Hölttäは、「Merikarviaのニーズに最適なソリューションを提供できることは素晴らしいことです。このデータセンターによって、Merikarviaの地域暖房は、ほぼ全面的に非燃焼ベースの熱生産に一挙に切り替わることになります」と語りました。

この新しい施設は、同ネットワークの暖房需要の最大90%を賄う予定です。Metsä Fibreの製材所から排出される廃熱は、以前は地域暖房網の熱源として利用されていましたが、製材所の閉鎖以来、この地域の地域暖房は軽油を使用しており、エネルギーコストが上昇していました。データセンターの稼働後は、初めはネットワークの熱需要の残りは石油で生産されますが、太陽エネルギーなどの代替再生可能エネルギーのソリューションが準備されています。

Merikarvia自治体長のJuha Vasamaは、「このデータセンターによって、Merikarviaの地域暖房はほぼ全面的に燃焼を伴わない熱生産に切り替わります」と述べました。

同自治体によると、同じ場所にもうひとつデータセンターを増設する可能性もあり、そのデータセンターは、この地域にある他のテナントのための熱生産も可能になるとのことです。

Vatajankoskiは昨年、Kankaanpääの発電所に2MWのデータセンターを設置しました。地元企業E-Heatのサーバーを利用した12ラックのこのプロジェクトは、地元地域の地域暖房需要の約20%を供給しています。

VatajankoskiのMerikarvia Data CenterもE-Heatから供給されているかどうかは不明です。

フィンランドの不動産会社Toivoは昨年、E-heatに200万ユーロ(227万ドル)を投資し、同社の買収を進めています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。