JPMorgan Chaseが2024年にデータの75%をクラウド移行予定

AIとアナリティクス機能の構築を目指す

金融サービス会社のJPMorgan Chaseが、2024年以内にデータの75%とアプリケーションの70%のクラウド化を目指しています。

同社のCEOであるJamie Dimonは、株主に宛てた書簡の中で、以下のように述べ、新たなクラウド戦略を明らかにしました。

「パブリッククラウドであれ、プライベートクラウドであれ、当社の技術をクラウドに移行することは、データ能力を含め、あらゆる能力を最大限に発揮するために不可欠です。」

Dimonは、アプリケーション費用、セキュリティ、ニーズを考慮し、プライベートクラウドとパブリッククラウドのどちらを利用するか「慎重に選ぶ」と述べています。また、ロックインを避けるために複数のクラウドプロバイダーを利用することの重要性についても言及しています。

JPMorganは世界に32のデータセンターを持ち、2021年には新たに4つのプライベートクラウドデータセンターに20億ドルを費やしました。現在は、アプリケーションの約50%とデータの70%をクラウド上で運用しています。

Dimonは次のように述べています。「新しいデータセンターは、古くからあるデータセンターよりも約30%効率的であることから、グローバルに展開するデータセンターのうち、 規模が大きく、古く、効率の悪いデータセンターの閉鎖を今年末までには開始する予定でいます。」

「パブリッククラウドへの移行は、正しく行われれば、さらに30%の効率化をもたらすことができます。新しいクラウドサービスを利用するために、データやアプリケーションを修正、つまり『リファクタリング』すれば、効率は向上していきます。」

Dimonは、業務における人工知能(AI)の重要性についても言及し、以下のように述べました。 「将来的には、 生成AIがビジネスワークフロー全体の再構築を支援するでしょう。私たちは、これらのAIと機械学習の実験を続け、安全性と責任意識を大切にしながら、ソリューションを導入していきます。」

「そのためにはクラウドへの移行が不可欠です。データの高品質化やアクセスの手軽さを実現することのみならず、分析データ資産のパブリッククラウドへの移行を完了させる必要があります。これらの新しいデータプラットフォームは、高度な計算能力を提供し、現在では考えられないような方法でデータの利用が可能になるでしょう。」

JPMorganは10年以上前からAIを活用しており、現在では2,000人以上のAI・MLの専門家やデータサイエンティストを雇用しています。ソフトウェアエンジニアリング、顧客サービス、オペレーション部門への生成AIの活用を模索中です。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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