LinkedInがデータセンター閉鎖と Azure移行計画を一時停止

移行の要請に無視を貫く

マイクロソフト傘下の LinkedInは、同社のインフラをMicrosoft Azureに移行する計画を一時停止しました。

ビジネスに特化したSNS企業であるLinkedInは2016年に260億ドル以上で買収され、マイクロソフトは2019年にプラットフォームを自社のクラウドに移行し、同社のデータセンターを閉鎖すると発表していました。

しかし、CNBCの報道によると、LinkedInは昨年、ブルーシフト・プロジェクトの継続を断念したとのことです。幹部はスタッフに、この取り組みは保留にされたのであり、完全に中止されたわけではないと語ったといいます。

LinkedInのCTOであるRaghu Hiremagalurは、2022年6月に研究開発部門の従業員に宛てたメモの中で、「LinkedInは一部のAzureサービスの利用を継続し、オンプレミスインフラストラクチャの拡張と革新に注力する 」と述べています。

さらに、「我々のプラットフォームが成長し、Azureの需要が非常に高まっているため、LinkedInの移行計画を一時停止し、Azureの外部顧客にリソースを割り当てることにした」と付け加えました。

Azureが急速な成長を遂げる一方で、クラウド移行の課題もまたこの決定に影響を与えました。LinkedInはAzureにて利用可能なツールではなく、独自のソフトウェアツールの使用を検討していました。

LinkedInは現在、会員にサービスを提供するために新たなデータ センターを構築しており、その会員数は今年 11 月に 10 億人を突破しました。2016年当時、同社はカリフォルニア州で独自のデータセンターを運営し、テキサス州、バージニア州、オレゴン州、シンガポールで4つの賃貸コロケーション施設を運営していました。

LinkedInは買収前、自社のデータセンターインフラに多額の投資を行い、オープンソースのイノベーションを開拓、Open19 Foundationを共同設立し、ネットワーキングスイッチを含む独自のカスタムハードウェアを開発しています。

LinkedIn は DCD に次のように述べています。「当社はインフラストラクチャのニーズを補完するために Azure を使用し、データセンターへのさらなる投資を行っています。これには、100の従業員向けアプリケーションをAzure上で稼動させること、Azure FrontDoorを活用することや、現在複数のビルに分散しているデータセンターの拠点をひとつ屋根の下に統合するための継続的な作業も含まれます。」

「Azureは、チームのコラボレーションと生産性をサポートし、規模を拡大し、会員に我々の付加価値を提供するために極めて重要です。」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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