日本GLP、東京多摩エリアに国内初となるデータセンター「TKW1」を着工

31MWの第1フェーズは2025年に稼働開始

APAC地域で不動産事業を展開するGLPは、東京の多摩エリアにおいて新データセンターの建設を開始しました。この開発は同社における初の国内DCプロジェクトとなります。

GLPは今週、東京ウェスト1(TKW1)という3棟からなるキャンパスの建設を着工したことを発表しました。このキャンパスは合計31MWのIT負荷容量を供給し、約5,400㎡の敷地面積に展開されます。3階建ての1号棟建屋は、2025年2月までに稼働準備が整い、延床面積8,700㎡にわたり10MWの電力を提供する予定となっています。なお、2号棟および3号棟はそれぞれ10MWと11MWの容量を提供する予定です。

「この着工は、この地域における初のデータセンター施設であり、私たちが日本における主要プロバイダーとしてデジタルインフラ事業をさらに確立する上で重要なマイルストーンとなります。アジアにおけるデータセンターの中心地である東京は、私たちが市場に参入するうえで最適な場所であり、今後この地域でハイパースケールおよびエンタープライズ顧客のデータ容量ニーズに対応していけることを楽しみにしています」と、日本 GLP 代表取締役社長の帖佐 義之氏は述べています。「私たちは、将来のデジタルインフラを支える持続可能なデジタルインフラを顧客に提供するために、自身の専門知識、規模、再生可能エネルギー事業との相乗効果を活用していきます」

TKW1はLEED Gold認証基準に基づいて建設され、また同社は、このサイトは顧客に 再生可能エネルギー オプションを提供する、再生可能エネルギー事業との連携を行うと述べています。

昨年、同社は、今後5年間で日本に900MWのデータセンター容量を提供するために1兆円以上を投資する計画を発表し、そしてこれにより同社は日本国内でトップのデータセンター事業者の1社となっていく、と述べていました。

「日系企業や外資系ハイパースケールのお客様にDCの提供を始めるにあたり、日本におけるDCキャンパスの第1棟目の着工を祝うことができ、大変嬉しく思っています。東京エリアの4キャンパスと大阪エリアの1キャンパスでIT容量は600MWを超え、アメリカ合衆国を含む総合計では1,500MW以上がグローバルなパイプラインで提供可能です。私たちはビジネスアプリケーション、クラウド、AIコンピューティングの展開による現在および将来の需要を満たす、持続可能で安全、安心かつ信頼性の高いDCソリューションを提供できる体制を整えています」と、GLP Pte Ltd. Global Data Center Business President の Jennifer Weitzel 氏はこのように付け加えています。

2009年に設立されたGLPは、物流、デジタルインフラ、関連技術におけるグローバルな投資マネージャーとして事業展開を行っています。同社は過去2018年に中国のデータセンターへの投資を行った後、「競争力のあるデータインフラビジネス」を築いたと述べていました。また2019年には、GLPは地元のデータセンター企業Cloud-Tripodの60%の株式を取得しました。

同社のウェブサイト上にはデータセンターの完全なリストは掲載されていませんが、日本、英国、ブラジルの7つの計画中のキャンパスを合わせると、現在利用可能な電力容量は850MW以上、アメリカ合衆国を含む全体では1,500MW以上の電力がグローバルなパイプラインで利用可能であると記されています。

また中国では、同社は常熟(Chángshú)と懐来(Huailai)にデータセンターを有しており、将来的には1.4GWの市場容量に達する可能性があると述べています。

昨年、PropertyWeekは、GLPがロンドンのニューハム地区に多階層倉庫を建設する計画を取りやめ、代わりにデータセンターの可能性を検討していると報じました。

さかのぼること2021年初頭、GLPはDCセクターからの撤退を検討しており、中国のクラウドおよびデータセンター企業であるGDSホールディングスに、80億ドルから100億ドルでの事業売却を検討していました。しかし、評価額の不一致によりその取引は破談となりました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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