IceotopeとIntel、Ku:l 液浸冷却ソリューションの試験を実施
空冷ソリューション比で、最大30%のコンピューティング容量の削減が可能
IceotopeとIntelは、新しいKu:l Data Center Precision Immersion Cooling Solutionと空冷との比較試験を実施しました。
ラボ試験条件下で実施したところ、一般的な空冷データセンターの電力使用効率(PUE)1.4、液冷データセンターの1.04に基づき、大規模で最大30パーセントの削減を実証したとのことです。
この実証実験では、HPE ProLiant DL380 Gen10サーバで構成された19.6kWの負荷に最大のストレスレベルを与え、空冷とKu:lソリューションそれぞれを使った冷却試験が行われました。
Iceotopeのソリューションでは、サーバレベルでは周囲温度が高い中スロットリング(揺らぎ)がゼロで、性能が4%向上し、ラックレベルでは1kWのエネルギー削減を実現しました。
Iceotopeの製品戦略担当ディレクターであるJason Matteson氏は次のように述べています。「ユビキタスAIや高性能アプリケーションの処理要件は、すでに事業者に持続可能性のジレンマを生じさせている。データセンターだけでなく、分散したエッジロケーションにおいて、二酸化炭素排出量の削減と同時に、チップパワーの急激な増加に対応することは問題である。IceotopeのKu:lデータセンターは、データセンター設計のパラダイムシフトという急務に対して、非常に実用的な対応を実証している」
Ku:l Data Centerソリューション計画は、Iceotope、Avnet、Schneider Electricの共同作業として2019年に発表され、Intel、HPEとも協業しています。
「今日、持続可能な社会の実現に向けて、データセンターには効率性、柔軟性、拡張性を高める冷却ソリューションと同時に、今日のコンピューティングが要求する性能レベルの実現が求められている」インテルのチーフプロダクトサステナビリティオフィサーであるJen Huffstetler氏はこのように述べています。
「新しいKu:l Data Centerの精密な液浸環境は、今日のミッションクリティカルな施設に馴染みのあるフォーマットで、精度の高い冷却と高いスペース利用と共に、予測可能なITパフォーマンスを実現する」
Ku:l Data Centerソリューションは、現在、英国に拠点を置く某航空宇宙企業に採用され、現在導入が行われています。
Iceotopeは昨年、HPE ProLiantサーバを搭載した液冷式エッジデータセンターを発表しています。STT GDCとEcoDataCenterはいずれも、同社の液浸冷却技術をデータセンターに導入しています。
またIntelは液冷への投資を行い、最近、オープンIP(オープンな知的財産)液冷設計の計画を発表しました。詳細は明らかにされていませんが、同社はこれまでにも液浸冷却に関してSubmer社やGRC社とも提携をしています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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