NNSA、Cerebrasチップをポストエクサスケール技術として評価へ

米国国家核安全保障局(NNSA)は、計画中の世界で最もパワフルなスーパーコンピュータの40倍の速度を実現する技術を模索する初期研究プロジェクトを始動させました。

「Advanced Simulation and Computing(ASC)」プログラムのもと、核兵器開発企業各社は、今後2年の間にローンチが予定されている「El Capitan」(ピーク時の性能が2エクサフロップス超)の数十倍の性能を持つシステムの開発を目指しています。

その一環として、NNSAはウェーハスケールの半導体を開発するスタートアップ企業Cerebras(セレブラス社)のチップを研究する予定です。

現在、同社が提供しているCerebras CS-2システムは、世界最大の半導体である2兆6000億トランジスタを搭載した「Wafer Scale Engine 2(WSE-2)」をフィーチャーしています。これは、TSMC 7nm上に構築され、85万基の「AI最適化」コア、40GBのオンチップSRAMメモリ、20ペタバイトのメモリ帯域幅、220ペタビットの集約ファブリック帯域幅を備えています。

WSE-2チップは、HPEのSuperDome Flexも搭載される15Uの筐体「Cerebras CS-2」にパッケージされ、販売されます。

このCerebrasシステムは、より広範なASCの取り組みのもと、実験的なシステムのテストを行うエネルギー省の「Advanced Architecture Prototype Systems(AAPS)」の取り組みの一部となる予定です。

AAPSは以前、Astra Armベースのスーパーコンピュータを構築し、一方ASCは「量子コンピューティングやその他の新しいハードウェア、コンピュータ・アーキテクチャ、ソフトウェア、関連ハードウェアおよびソフトウェア技術の見込み、そしてNNSAのニーズを満たす米国の産業基盤の能力」についても検討すると、HPCwireが最初に報告したプロジェクト・ページに記されています。

スーパーコンピューティング機関のアルゴンヌ国立研究所、ローレンス・リバモア国立研究所、PSC、アストラゼネカ、GSK、東京エレクトロンデバイス、AbbVieは皆、Cerebrasシステムを使った検証を行っています。今年初めには、米国立スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)がCS-2システムを同社のスーパーコンピュータ「HOLL-I」に導入しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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