GlobalFoundries、BAE システムズ社の宇宙用放射線硬化型シングルボードコンピュータの製造に成功

チップメーカーGlobalFoundries(GF)は、BAE システムズ社の宇宙用放射線硬化型システムオンチップ(SoC)「RAD510」を製造します。

この新しいSoCは、2005年に初めて宇宙に打ち上げられたマイクロプロセッサー「RAD750」の2倍の性能を備えていると、英国の武器メーカーは述べています。いずれもPowerPCをベースとしており、Power Architectureソフトウェアに対応しています。

RAD750は、火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービター(Mars Reconnaissance Orbiter: MRO) 、月周回無人衛星ルナー・リコネサンス・オービター (Lunar Reconnaissance Orbiter: LRO) 、放射線帯嵐探査機 (Van Allen Probes)、キュリオシティ (Curiosity)  や パーサヴィアランス (Perseverance)といった火星探査ローバーなどに採用されてきました。

BAEシステムズ社の宇宙システム担当ディレクター リカルド・ゴンザレス氏は以下のように述べています。 「RAD510 SBCは多くの重要な国家宇宙資産を動かしてきたRAD750が培ったマイクロプロセッサベースのSBCを自然に進化させたものです」

「信頼性の高いこれらのコンピュータは、人工衛星や宇宙船の性能を向上させ、宇宙ミッションをより効果的なものにします。BAEシステムズ社とGlobalFoundriesの関係は、2001年に大成功を収めたRH25半導体技術ノードの開発に始まった歴史あるものです。」

RAD510 SBCは、RH45 45nmのSOI(CMOS LSIの高速性・低消費電力向上技術 silicon-on-isolator)テクノロジにより、より少ない電力で、放射線の利点を発揮する、とBAE社は述べています。

このSoCは、米国防総省のカテゴリー1Aのマイクロエレクトロニクス・トラステッド・ソースであるニューヨーク州イースト・フィッシュキルにあるGFのFab 10施設で製造されています。GF社とBAE社は、45nm SOIテクノロジーの製造をニューヨーク州マルタにあるGF社のFab 8に移行しています。

GF社のオートモーティブ・インダストリアル・マルチマーケット部門のSVP兼GMマイク・ホーガン氏は、以下のように述べています。「BAE システムズ社と協力し、当社の45nm半導体プラットフォームの性能、信頼性、エネルギー効率を活用して、宇宙での厳しい要求に応えることができることを誇りに思います。」

「GF社は、機密性の高い航空宇宙・防衛アプリケーション用半導体の業界リーダーとして、最高レベルのセキュリティを必要とするソリューションを開発・製造するために必要なことを認識しています。」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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