データセンター向け半導体は供給問題に直面、チップ製造装置の遅延が影響

データセンター向け半導体は、チップ製造装置が生産問題に見舞われ、数年の遅れに直面しています。

Wall Street JournalによるとTaiwan Semiconductor Manufacturing Co.(台湾積体電路製造 : TSMC)は、製造装置の取得に問題があるため、2023年と2024年の増産が期待ほど急にはできないかもしれないと顧客に警告を出し始めているといいます。

この技術的な問題は、ライバルのサムスンも4ナノメートル・プロセスの歩留まりが低く、今年の注文に応えられないことを意味します。WSJによると、QualcommやNvidiaなどの大手顧客は、その結果TSMCに注文をシフトしたという。

TSMCは特に重要なリソグラフィ装置を製造しているASMLに重点を置いて、供給を確保しようと装置メーカーとの交渉に幹部を派遣しています。

メーカー各社は装置の一部を拡大する中国半導体部門に送っているため、一部のチップメーカーは装置の優先順位を下げさせるよう働きかけていますが、これはほとんど成功していません。

2019年当時、チップメーカーはすでに製造装置やダイオード、コンデンサー、基板など電子機器の組み立てに使われる部品の入手に苦労していました。

自動車がインテリジェント化し5Gの展開が始まるなど、市場は急成長しています。そこにコロナ禍が発生し工場やサプライチェーンが停止すると同時に、家庭用IT機器やデータセンターのサーバーを中心に需要が急激に増加しました。

さらに、テキサス州の嵐によるサムスン、NXP、Infineonの工場の被災日本のルネサス工場での火災ASMLでも)、台湾の停電干ばつ気球の飛来など、無関係なブラックスワン現象が続発したのです。

今年1月には、米国政府の調査により、企業がわずか5日分の半導体供給しか持っていないことが判明しました。

データセンターは、「PlayStation 5」やデスクトップ用GPUのような消費者製品ほど直接的な影響を受けていませんが、チップ不足は依然としてこの分野に影響を及ぼしています。

ビデオゲーム「ファイナルファンタジーXIV」では、サーバーの入手が困難なため、新しいデータセンターの拠点展開が遅れました。昨年、英国のIT再販業者Computacenterは、サプライチェーンの問題がデータセンターの部品販売に影響を与えていると警告し、クラウドネットワーキング企業Arista NetworksのCEOが、今回の不足は 「私が見た中で最悪だ 」と述べた1カ月後に、このような事態が発生したのです。



この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。



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