AT&TとFirstNet、NASAの月周回ミッション「Artemis II」の通信を支援

月面基地構想に向けた計画

AT&TとFirstNetは、NASAの月周回有人ミッション「Artemis II」において、通信支援を行っています。

米国の通信事業者であるAT&Tは、NASAのArtemis IIミッションを支援するため、地球近傍および深宇宙通信向けの通信接続と現地サポートを提供しています。これにより、NASAのOrion宇宙船が宇宙空間を約25万マイル (約40万km) を飛行し、月を周回する間、管制センターと4人の宇宙飛行士が常時接続された状態を維持できます。Artemis IIは4月1日(水曜日)の夜に打ち上げられ、現在、宇宙飛行士は地球を周回しています。

このミッションは、1972年以来初めて人類が低軌道(LEO)を離れて宇宙へ飛行するものであり、人類がこれまでで最も遠く、深宇宙へ到達するミッションとなります。ただし、宇宙飛行士は月面に着陸することはなく、月面着陸は将来のArtemisミッションに持ち越されます。

10日間にわたるArtemis IIミッションで、宇宙飛行士は月を周回し、将来の着陸地点や月の南極地域にある基地候補地の写真を撮影します。NASAの新長官Jared Isaacmanは先月、今後7年間で月面基地に200億ドルを投資する計画であると述べています。

AT&Tによれば、同社はNASAとネットワーク要件を把握するため連携を続けており、主要な宇宙センターや地上局を含む世界各地の拠点を接続する取り組みを進めているとのことです。ダラスやシャンティイ、さらに複数の海外拠点にチームを配置し、ネットワークを常時監視する予定です。

さらに、ミッション・クリティカルな信頼性を強化すべく技術改修を実施し、AT&Tのスタッフが現地入りしているNASAのゴダード宇宙飛行センターやケネディ宇宙センターなど、各拠点間で一貫した通信サポート体制を整えたと述べました。

AT&Tのパブリックセクター部門責任者であるWes Andersonは、次のように述べています。「NASAがArtemis IIを支援するにあたり、数多くの優先事項に対応する必要があることは理解していました。そのため、私たちはNASAのチームに加わることで通信ニーズを事前に把握し、あらゆる段階で支援してきました。」

AT&TによるNASA支援は、FirstNetが今年後半にAST SpaceMobileのBlueBird衛星を用いたベータ版衛星サービスの開始を準備している時期と重なっています。

FirstNetは、AT&Tが構築した米国の緊急対応要員向け通信ネットワークです。

打ち上げ現場に数千人が集まるなか、FirstNetはNASAの公共安全を支援します。このネットワークは、NASAの警備部門および緊急事態管理部門と連携し、広大なケネディ宇宙センターの敷地内でチーム間の通信が確実に行えるよう支援しています。

Artemis IIの打ち上げにあたり、FirstNetはSatCOLT(小型トラック搭載型衛星基地局)やCRD(小型迅速展開型衛星基地局)を含むネットワーク資産群を展開しました。

さらに同社は、AT&Tの商用衛星群であるLCT(LEOセルトレーラー)も活用し、高速な一時的セルラー通信を提供することで、通信混雑の緩和を図る予定です。

FirstNetはまた、ケネディ宇宙センタービジターコンプレックスの屋内通信環境をCell Booster Proで強化しました。AT&T Network Disasster Recovery(NDR)は、ケネディ宇宙センターの報道エリアに新たなNDR Connect and Care Trailerを配備し、来場者向けにデバイス充電サービスを提供しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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