ベスト・バイがAWSを優先プロバイダーとしてオンプレミスデータセンターから移行~Google Cloudに大打撃

小売業者がAmazonをサポートすることを嫌っているにもかかわらず

家電量販店のベスト・バイは、クラウドインフラ・サービスの優先的クラウドプロバイダーおよびクラウドエンジニアの人材育成の戦略的パートナーとして、 Amazon Web Services (AWS)を選択しました。

この決定は、ベスト・バイがGoogle Cloudと契約を結び、同社がベスト・バイの主要プロバイダーになることを期待していた2年後に行われました。

ベスト・バイのクラウドとの付き合いは長く、中小企業向けにクラウドとITサービスを販売する計画で、2011年にMSPのmindSHIFT Technologiesを1億6700万ドルで買収しています。

当時、同社は5,400社以上のクライアントと25,000台のマネージドデスクトップ、13,000台のマネージドサーバー、2.2ペタバイトのストレージを米国内の多数のデータセンターでホスティングしていました。

しかしIBMがSoftLayerを買収する前の、クラウドコンピューティングの黎明期に行われたこの買収は、うまくいきませんでした。2014年までにこの部門は日本の多国籍企業リコーに非公開の金額(通常は買収額よりも低い金額という意味)でひっそりと売却されています。

クラウドゲームから撤退したベスト・バイは、ミネソタ州ブルーミントンの倉庫をデータセンターに転換するなど、従来のオンプレミス型データセンターとコロケーションに頼ってニーズを満たしていました。

2020年、同社はEnterprise Data PlatformのクラウドプロバイダーとしてGoogle Cloudと複数年契約を締結したことを発表しました。

当時、Googleの小売・消費者担当副社長キャリー・タープ氏は、この契約によりベスト・バイがWEB注文システムなどのITをGoogleに移行することが期待されると述べています。

しかし結果としては その代わりにAmazonを選択したのです。 小売業者の中には、巨大な競争相手に資金を提供することに慎重なところがあるにもかかわらず。

Amazon の副社長兼 CTO であるワーナー・ ヴォゲルス は、「Best Buy は人々のテクノロジー購入方法を変革しており、そのイノベーションを加速するために AWS の包括的なクラウドサービスセットを利用しています」と述べています。

「顧客へのこだわりとイノベーションという共通の文化を持つ私たちが協力することで、クラウドがビジネスのあらゆる側面ですべての顧客に利益をもたらすことができるようになるでしょう。」

新しいパートナーシップにより、ベスト・バイはワークロードをオンプレミス設備からAWSに移行し始めるとともに、新しいツールをまずAmazonで構築する予定です。

しかし、Google Cloudにとって悪いニュースばかりではありません。今週、駐車場アプリのJustParkは、Google Kubernetes Engineを使うためAWSからGoogleに移行することを明らかにしています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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