Liberty GlobalとDigital ColonyがAtlasEdgeを設立、欧州全域で100か所以上のエッジデータセンターを運営

巨大エッジ企業がヨーロッパに進出

通信事業者のLiberty Globalとデジタル・インフラ系ファンドのDigital Colonyは、ヨーロッパでエッジデータセンターの巨大合弁会社「AtlasEdge Data Centres」の設立を計画しています。

この合弁会社は、Digital Colonyのエッジ資産とLiberty Globalの不動産ポートフォリオを統合し、欧州全域で100か所以上のエッジデータセンターを運営する予定です。

この取引は、規制当局および合併管理当局の承認を得た上で、2021年第3四半期に完了される予定です。しかし、当初の論評では、エッジの需要レベルには疑問があるとされています。

エッジへの大きな賭け

新会社では、InterxionとTelecityの元CFOのJosh Joshi氏がエグゼクティブチェアマンを務めます。

AtlasEdgeは、Liberty Globalのデータセンターを引き継ぎ、Liberty Globalの事業会社数社をアンカーテナントとして事業を開始します。また、英国とアイルランドではVirgin Media、スイスではSunrise-UPC、ポーランドではUPCが入居する予定となっています。

Liberty GlobalのCEOであるMike Fries氏は次のように述べています。「Liberty Globalの技術的不動産と、持続可能なビジネスを構築してきた実績に、Digital Colonyのデジタル・インフラ投資の専門性を組み合わせることで、長期的な価値をもたらす刺激的なな成長基盤を構築することができる」

「合弁会社は、この事業をヨーロッパでの主要エッジデータセンター事業者にするための大きな成長機会を提供する。さらに、当社の複数の事業会社がアンカーテナントとなるため、Liberty Globalのお客様にも、より優れた、より迅速なサービスを提供することができる」

「通信塔を所有する企業が携帯電話事業者に貸し出すように、AtlasEdgeの施設をエッジサービス展開のために貸し出すというのが大きなアイデアである」と Light ReadingのIain Morris氏はこのようにコメントしています。「資金調達の方法としては、業界最悪の負債を持つ1社であるLiberty Global にとって、明らかなメリットがある。3月末時点で約280億ドルの純負債を抱えている同社の借入金は、毎年の基礎利益の約5倍に相当する。ちなみに欧州の大手通信事業者の多くは、この比率を2~3倍としている」

「しかし、AtlasEdgeの今後の見通しは、新しいエッジサービスをサポートするためにどれだけのインフラが本当に必要になってくるかにかかっている。BTやTelefónicaなどの既存企業はこれまで、数百から数千の小規模ノードを使用して通信時間の短縮しようと議論してきた。しかし、AWSと提携してエッジサービスの開始を予定しているVodafoneは、英国のような規模の国で必要とされるのはわずか数拠点であると考えている。その上、このような低遅延を必要とするアプリケーション事例はまだほとんど存在していない」

Liberty Globalは、Virgin MediaとTelefónicaのO2との合併を進めている最中であり、規制当局が380億ドルの取引を承認すれば、AtlasEdgeに新たな顧客が加わる可能性があります。2016年以降、Liberty GlobalはEdgeConneXの欧州における主要顧客であり、ロンドンの主要データセンターや英国内の小規模施設でアンカーテナントとしてサービスを提供しています。

Digital ColonyのCEOであるMarc Ganzi氏は次のように述べています。「合弁会社は、Libertyが保有するデジタル不動産の成長の可能性を引き出し、欧州全域で見られるエッジコンピュートへの新たな需要を活用するものである」

2017年に設立されたばかりにもかかわらず、Digital Colonyは一連の積極的な買収を経て、デジタルインフラの最大保有企業の一社としての地位を確立しました。

Digital Colonyが2019年に買収したGanziはDigital Bridgeという同様のファンドを運営していました。同社はデータセンター企業のDataBankを所有し、インディアナポリスに拠点を置くLightBoundピッツバーグにあるPNC銀行のデータセンター、365 Data Centersの2つのデータセンター、Stream Data Centersのデータセンター、C7 Data Centersの全施設など、買収を繰り返してきました。

Digital Colonyはその後、EQT Partnersと提携してZayoを現金82億ドルで買収し、さらに同社のzColoデータセンター事業を自社のDataBank子会社に売却しました。そして更に、Vantage Data Centersに大規模な出資を行い、Peer 1を買収し、ブラジルのデータセンター数社を買収してScalaを設立しました。

今年初め、Digital Colonyは2つ目のファンドのために41億ドルを調達し、すぐさまLandmark Dividendに4分の1近くを投資して、さらに十数カ所のデータセンターを手に入れました。

新たなエッジ企業は、「Liberty Globalのような世界的組織とのパートナーシップのもと、当社の事業に関する専門知識、戦略的M&A能力、機関投資家の資本へのアクセスを活用して、Digital Colonyのあらゆる付加価値戦略を適用するチャンスとなる」と、Ganziは補足しています。

Data Center Dynamics

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