インテルサットとOneWebが航空会社への接続サービス提供で提携

ありそうでなかったLEOとGEOの衛星サービス提携

衛星通信会社のIntelsat(インテルサット)とOneWebは、航空会社にインフライト接続(IFC)を提供するために提携します。

ありそうもない組み合わせですがこの合意によって、インテルサットが現在行っている静止衛星(GEO)IFCサービスに加えて、OneWebの低軌道(LEO)衛星サービスを航空会社に提供可能になります。

この2つの衛星サービスを組み合わせることで、航空会社はより信頼性の高いIFCを利用できます。GEO衛星は高度が高いため、より広い範囲に接続を提供できますが、その分データ転送の遅延が大きくなります。一方、LEO衛星は地表に近い場所に設置されていますが、同じ接続性を確保するためには、より多くの衛星が必要となります。OneWebは約428基のLEO衛星を軌道上で運用し、インテルサットは50基弱のLEO衛星を運用中です。

このサービスは2024年までに運用を開始予定で、混雑するハブ空港や海を越え、北極回りルートでもカバレッジを提供できる予定です。

OneWebのモビリティサービス担当副社長、ベン・グリフィンは、この提携をIFCにとって「分岐点となる瞬間」だと表現し、次のように述べました。「私たちは、インテルサットと協力して、商業航空に当社のマルチ軌道ソリューションを提供できることをうれしく思います。我々は、航空会社に最も革新的なソリューションを提供することを約束します。」

「このレベルの接続性により、航空会社はすべての機内サービスを通じて乗客とのブランド提携を最大化することができ、真につながったエンドツーエンドの乗客の旅を実現できます」と、インテルサットの商業航空部門社長、ジェフ・サーは述べています。

両社のパートナーシップの発表は、複雑なビジネス関係の歴史からすると、少し意外なことです。2015年、インテルサットはOneWebに2500万ドルを出資し、OneWebのサービスを 米国政府、海事、石油・ガス、航空の 4つの分野で独占的に利用できるようにました。

その2年後、両社は130億ドルの合併を発表しましたが、債権者の支持が不十分で失敗に終わっています。その余波でインテルサットは、ソフトバンクのOneWebへの出資がインテルサットとOneWebの既存の商業契約を覆すと感じ、契約違反と詐欺を主張してOneWebとその出資者のソフトバンクを提訴することとなりました。

2020年、インテルサットは破産保護を申請し、より友好的な解決を目指すため、法廷闘争から手を引きました。当時、OneWebも独自の破産問題に取り組んでいました。

その後両社は破産から脱し、OneWebは最近、Eutelsatと34億ドルの合併契約に入りました。

今年初め、OneWebはGogo Business Aviationとの提携を発表しました。Gogoは2024年からOneWebの機内ブロードバンドサービスを乗客に販売できるようにする予定です。

SpaceX社のStarlinkはこれまでにも、プライベート機のプロバイダーであるJSX社と、ハワイアン航空との2つの航空取引に調印しています。この2つの契約は、合計で約100機の飛行機が利用できるものです。



この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。



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