ヘンプ加工会社がコスタリカの水力発電マイニング事業の過半数株式を取得し、暗号資産に軸足を移す

Generation Hemp社、不況の中、暗号資産事業に注力へ

ヘンプ(麻)の加工を専門とするGeneration Hemp, Inc.が、暗号資産(仮想通貨)マイニング事業に軸足を移すことを発表しました。

テキサス州に拠点を置き、ヘンプの乾燥、洗浄、加工、保管、また種子の保管施設を必要とする企業への不動産賃貸を行う同社は、社名を変更し、コスタリカの水力発電ダムで行われているクリプトマイニング事業の過半数の株式を取得したことを発表しました。

「徹底的な検討の結果、当社は本日、ビットコインマイニングを手始めに、持続可能なエネルギープロジェクトに向けた新たな戦略的方針を発表しました。今後数週間以内に社名をEvergreen Sustainable Enterprises, Inc. (EGSE)に変更する予定です」

Generation Hempは、安価なエネルギーを活用しながら、「この分野の低迷に伴い、最小限のコストで獲得した最高品質のマイニングマシン」を活用し、遠隔地に1~10MWの小規模な「グリーン」マイニングサイトを設立することが目標であると述べています。

Generation Hempは、引き続き完全に運営される100%子会社として維持される予定です。

新会社の最初の動きとして、EGSEの子会社であるCryptoricaが、コスタリカの水力発電ダムを所有するToro Energía Sociedad Anonimaの80%の買収を完了しました。

このダムで発電される約1MWの電力は、「極めて低いコストで」新しいビットコインマイニングマシンの電源として使用される予定です。Toro社の残りの20%の所有権は、30年以上にわたってダムを所有・運営してきたKopper家が保持し、「引き続きビットコインのマイニング作業を支援する」予定です。

トロ・ダムは、サンノゼからおよそ25マイル、2つの火山のクレーターの間に位置しています。歴史的には、発電された電力はコスタリカ政府に販売されていました。しかし、新型コロナに伴う電力需要の減少の中で、2020年に民間電力契約が縮小されました。

「契約解除から数カ月以内に、Eduardo(Kopper)氏は家族が所有する3つの水力ダムを、サードパーティー向けのビットコインマイニング用のデータセンターホスティング施設に改造した」と、Generation Hempは述べています。

Evergreen Sustainable Enterprises社の会長兼CEOであるGary C. Evans氏は、次のように述べています。「本日発表した変更は、将来の方向性の観点から重要なものであり、将来にわたって当社の株主にとって全体的に最大の利益となると考えています。現在開発中である当社のすべてのマイニングサイトは、資本市場全体とともにビットコインのマイニングセクターが落ち込んでいる時期に、当社に即時のネットキャッシュ・フローを生み出すはずです」

Eduardo Kopper氏は次のように付け加えています。「私たちは、極めて低コストのエネルギーを利用し、この環境に優しい資源をより高い利益に変えるために、私たちの家族の資産の一つにおいてGary Evans氏とそのチームに協力できることを大変うれしく思っています。今後数カ月の間に、300台の新しいビットコインマイニングマシンをトロの拠点に設置することを心待ちにしています。私たちはすでに、新たなベンチャーの機会について議論しています。私たちは、収益性を最大化するために、非常に低いコストを維持するという同じ哲学を持っています。ビットコインの価格が上昇軌道に乗れば、我々は極めて有利な立場に立つことができるでしょう」

Evans氏によると、同社は現在、アーカンソー州、ケンタッキー州、コスタリカを含む6カ所以上のマイニングサイトを保有しているとのことです。

Generation Hempは昨年、アシックスのサプライヤーであるCrypt Solutions, Inc.(別名、Cryptech Solutions)およびCryptechの姉妹会社で、マイニング機器のインフラを提供するDELV Innovationと提携しました。

当時、両社は、ヘンプの原料を燃料としてマイニング機器を動かすクリプトマイニング・データセンターの建設を計画していると語っていました。その後、2022年4月頃にケンタッキー州ホプキンスヴィルに位置する48,000平方フィート(約4,450平方メートル)の倉庫兼工場に2MWのモジュラープラントを配備しました。

Generation Hemp社は、以前はHome Treasure Finders社として、麻の種子栽培者向けに倉庫の賃貸を中心とした不動産業を営んでいた会社です。その後、株式非公開のエネルギー生産会社であるEnergy Hunter Resources, Inc.が2019年にHome Treasure Findersを買収し、その後社名を変更するとともに、ヘンプに注力するために石油・ガス資産をすべて切り離しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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