GDAがYDF Luzと提携し、アルゼンチンでガスフレア動力源ビットコインマイニングセンター立上げ

クリプトマイン、フレアガスを利用

ビットコインマイニングのGenesis Digital Assets(GDA)は、アルゼンチンの国営電力会社YDF Luzと提携し、新しいデータセンターを立ち上げました。

GDAの南米初の施設は、ネウケン州のリンコン・デ・ロス・サウセスにあり、総容量7MW、バックアップ1MWを備えています。

1,200台のビットコインマイニングマシンは、YPF、Equinor、YPF Luzが共同所有するBajo del Toro火力発電所から電力を供給されています。

このデータセンターは、通常であれば大気中に焼却されるはずの座礁ガスを収益化し、利用する予定です。

GDAは、メタンガスを再利用することで、ビットコインマイニング事業における二酸化炭素換算排出量を、25~63%削減できる可能性があると述べました。

GDAのエグゼクティブプレジデントであるAbdumalik Mirakhmedovは、次のように述べています。 「アルゼンチンは、豊富なエネルギー源と、ビジネスやフレンドリーな環境から、ビットコインのマイニングにとって重要な国だと考えています。」

さらに同氏は、「南米における当社初のデータセンターの開設は、地理的多様化の取り組みにおける重要な一歩です。また、ビットコインマイニングが環境に良い影響を与え、地域社会に完全に溶け込むことができることを、世界に示すまたとない機会となるでしょう」と付け加えました。

両社によると、YPFとEquinorは、GDAによって座礁ガスを利用することで、関連コストを相殺し、積極的な環境変化に貢献することができ、最終的には地域の石油価格の低下につながるとのことです。

YDF LuzのMartin Mandarnano最高経営責任者(CEO)は、次のように述べました。「2022年当社は、アルゼンチン企業として初めてフレアガスから、クリプトマインニング用の電気エネルギーを生成しました。これは、YPFのエネルギー転換のニーズに沿った革新的なソリューションです。」

YDF Luzは以前、2022年10月に北パタゴニアで廃棄物フレアガスを使用して、クリプトマインニングの電力を供給すると発表しました。

米国のCrusoe Energyなど他の企業は、天然ガスの燃焼を動力源とするデータセンターが、排出量を削減していると主張しています。トロントを拠点とするValidus Powerは、GDAやYPFとは似て非なるモデルで、燃焼ガスを供給し、それを暗号通貨に変えています。

GDAは、ビットコインのマイニングに最適化されたデータセンターを、運営・所有しています。同社は現在、50万MW以上のIT容量を持つ20のデータセンターを運営しており、その大部分は米テキサス州と、米サウスカロライナ州にあると主張しています。同社はまた、スウェーデンのオルトラスクとノースカロライナでもデータセンターを運営しています。

先月同社は、36MWのIT容量を提供する5番目のテキサスデータセンターの立ち上げを発表し、2023年8月にはスウェーデンに新しい施設を開設しました。

YDF Luzによると、再生可能エネルギー設備容量は497MWで、さらに合計218MWの風力発電所2基を建設中であるとのことです。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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