英国政府のブリーフィングで、ロシアのウクライナ侵攻による今冬の停電を警告

英国政府関係者はロシアのウクライナ侵攻により、この冬に停電が起こる可能性があると政治家に警告を発し始めています。

タイムズ紙によれば、政府の「合理的な」最悪のシナリオでは、ロシアがヨーロッパへの供給をさらに断てば、広範囲にガス不足が発生する可能性があるといいます。来年初めの朝夕のピーク時には、最大600万世帯で電力が配給制になる可能性があると、国会議員へのブリーフィングでは指摘されています。

最悪のケースとして、オランダとベルギーが自国内の供給危機に直面し、英国へのガス輸出を停止した場合を想定しています。

英国はガス火力発電所の閉鎖を余儀なくされ、ガスを大量に使用する産業界にガスの使用を中止するよう指示すると思われます。

想定されるな最悪のケースでは1ヶ月間、より悲観的にみたケースでは3ヶ月間、定期的に停電が発生する可能性があります。

英国がロシアから購入しているガスは4%未満ですが、欧州市場とは深いつながりがあり、EUは約40%のガスをロシアから調達しています。もし供給が停止すれば、英国が供給の大部分を得ているノルウェーのガスとの競争は熾烈を極めるだろう。

中国の液化天然ガス需要の高まりや、英国最大級の電力ケーブルが火災で閉鎖されたことなどから、すでに価格は高騰しています。

電力の大口需要家への影響は明らかになっていません。重要なインフラであるデータセンターは、電力供給に関してある程度の優先順位を持つと思われますが、それでもエネルギー価格の動向に翻弄されることに変わりはありません。

FTIコンサルティングの新しいレポートによると、小売のコロケーションプロバイダーは、エネルギー価格の上昇に伴い、収益指標が急速に悪化しているとのことです。オールインコロケーションの価格設定は、プロバイダが追加コストや価格上昇の吸収を余儀なくされることを意味し、英国のオペレータは「最も大きな影響を受けている」と述べています。

オールインの価格設定モデルを活用するデータセンタープロバイダーは、エネルギー価格上昇のコストを負担しているとFTIは述べ、英国市場では2021年1月からエネルギー価格が600%以上上昇したことを指摘しました。ドイツ(270%)、フランス(400%)、オランダ(360%)も価格が大幅に上昇しています。米国では、同時期にエネルギー価格が約11%上昇しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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