米国事業者Q2業績: Equinix、CoreSite、Digital Realty、CyrusOne全て増収増益

クラウドが活況を呈する中、パブリック・コロケーションやホールセール事業者らも、直近の2021年第2四半期の決算発表で、堅調な成長率を発表しました。

Equinix(エクイニクス)は好調な業績を維持し、74四半期連続での増収となりました。Digital Realty(デジタル・リアルティ)も、四半期の収益が10億ドルを超えました。CoreSite(コアサイト)とCyrusOne(サイラスワン)についても規模は小さいものの(またCyrusOneについては、突然のリーダー交代もあったが) 収益を伸ばしました。

尚、QTSは近々、非公開化前の最後の業績を発表する予定となっています。Iron Mountainの業績も近日中に発表される予定です。

Cyxteraについては先週、SPACとの合併を完了したばかりで、公開企業としての最初の収益発表を第3四半期まで待たなければならないかどうかは不明です。

エクイニクス

エクイニクスが発表した四半期収益は16億5,800万ドルで、前年比13%増と、74四半期連続の増収となりました。営業利益は2億7,900万ドルで、新規施設の開設や光熱費の増加、修理・保守費用の増加などの影響もあり、前四半期比で6%減少しました。当四半期のEBITDAは7億9,700万ドルでした。

同社はまた、トルコのインスタンブールのIL2データセンターでの、525ラックを追加するフェーズ3拡張を承認しました。

エクイニクスのCEOであるCharles Meyers氏は次のように述べています。「デジタル・トランスフォーメーションの動きがあらゆる業界で以前の予想を上回っており、当社のビジネスに大きな勢いが続いている。テクノロジーへの投資は加速しており、従来のテクノロジー市場が引き続きas-a-service利用モデルに移行し、ハイブリッド・マルチクラウドが選ばれるアーキテクチャとして広く普及する中、エクイニクスは独自のポジションを維持していると考えている」

尚、第3四半期収益は16億6,800万ドルから16億8,800万ドル、調整後のEBITDAは7億6,600万ドルから7億8,600万ドルの間になると同社は予測しています。

デジタルリアルティ

デジタルリアルティの当四半期の収益は前年同期比で10%増となる11 億ドル、純利益は1億2,600万ドルでした。調整後EBITDAは、前年同期比8%増の6億300万ドルとなりました。

第2四半期には、米国を中心に全世界で展開する558,000平方フィート、58.7MWに対し、レンタル収益として年間GAAP(米国会計基準)ベースで1億1,300万ドルが見込まれる総受注契約を締結しました。また、年間GAAPベースのレンタル収益1億7,800万ドルに相当する更新リース契約も締結しました。同社の291カ所にわたるデータセンターの全体の稼働率は84.7%でした。

デジタルリアルティのCEO、A.W.スタイン氏は次のように述べています。「デジタルリアルティのグローバル・プラットフォーム、強固な顧客との関係性、データセンター・サービスに対する健全な需要環境が、第2四半期の堅調な業績を牽引した。当四半期の予約状況は、PlatformDIGITALが引き続き採用されていることを反映しており、新規顧客の増加と製品販売のバランスが取れている」

デジタルリアルティは、韓国のソウルで5エーカーの区画を約6,600万ドルで、そしてオーストラリアのシドニーで18.5エーカーの区画を6,500万ドルで取得しました。また、当四半期で、アリゾナ州フェニックスの240,000平方フィートの空室のオフィス・産業用不動産を1900万ドルで売却しました。

同社の総負債残高はおよそ139億ドルです。

サイラスワン

サイラスワンが発表した四半期収益は、前年同期比11%増の2億8460万ドル、純利益は84%減の840万ドルとなりました。当期の調整後EBITDAは4%増の1億4190万ドルでした。

ブルース・ダンカンCEOの突然の退任を発表したにもかかわらず、同社は第2四半期に21MW、345,000平方フィートのリースを行い、合計で4,180万ドルのGAAPベースの年率換算収益を計上しました。

第2四半期には、ダブリン、ロンドン、米バージニア北部、サンアントニオで、トータル14万6,000平方フィート、45MW容量の構築を完了しました。全体の稼働率は83%で、総負債額は33億8,000万ドルに達しています。

尚、同社は、推定21MWの電力容量を提供予定の約5エーカーの土地や、フランクフルトでも推定63MW容量を提供予定の12エーカーの土地を取得しています。

同社はまた、既存または将来のグリーンビルディングのポートフォリオや、再生可能エネルギー、エネルギー効率、持続可能な水・廃水管理、汚染防止・管理、クリーン輸送のプロジェクトや資産などに対する資金調達または借り換えのために、初のグリーンシニアノートの発行を行い、2028年満期の1.125パーセントのシニアノートを5億ユーロ発行しました。

コアサイト

コアサイトの営業収益は、前年同期比7.7%増の1億6,210万ドルとなりました。調整後のEBITDAは874万ドルで、前年同期比7.1%の増加となりました。

同社は、33,135平方フィートに上る新規および拡張リース契約を112件獲得し、136,564平方フィートに上る330件のリース契約を更新したと述べています。尚、解約率は1.3%でした。コアサイトのデータセンター施設は、合計で85.2%がリースされている状況との事です。

コアサイトの社長兼CEOであるPaul Szurek氏は次のように述べています。「当社の市場戦略を支える基本的な市場要因については、楽観的に考えている。低レイテンシー、ハイパフォーマンス、ハイブリッドクラウドのITアーキテクチャを必要とするテクノロジーは、ビジネスの成功においてますます重要な役割を果たし続けている。当社は、米国の主要都市におけるエッジニーズを十分に取り込める立場にあると考えている」

また、同じくチーフ・レベニュー・オフィサーであるスティーブ・スミス氏は次のように述べています。「当社は、高性能な相互運用性とハイブリッド・クラウド・アーキテクチャーを必要とする、パフォーマンスに敏感なアプリケーションを持つリテールや大規模顧客をターゲットにしている。私たちは、これらのリース契約が、電力マージンや相互接続の収益を増加させ、より高い利回りを実現すると期待しているが、一方で、より長い販売サイクルを持つ大規模案件の強力なファネルに対しても引き続き取り組んでいく」


(繰り返しますが)QTSとIron Mountainについては、近日中に業績発表が予定されています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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