エアバス傘下のAalto、NTT/スカパーJSAT JVのSpace CompassとHAPS実証飛行の契約を締結

エアバスの子会社であるAalto HAPSは、NTTとスカパーJSATの合弁会社である株式会社Space Compassと成層圏ドローンプラットフォームのPoC(概念実証)実証飛行の契約を締結しました。

これは2023年に行われる計画で、Aaltoはモバイル通信を搭載したHAPS(High Altitude Platform Station:高高度基盤ステーション)Zephyr Z8B航空機を飛行させ、太陽光発電による「天空の塔」を提供する予定です。2024年にはさらなるPoC飛行が予定されており、さらに同年末には商用打ち上げが予定されています。

Zephyrでは、田舎や 過疎地、または接続が一時的にダウンしている際に、4G/5Gモバイル接続サービスを提供できるようにする計画です。

エアバス社が開発し、今年初めに独立したAalto社のZephyrは、昨年64日間の飛行に成功しましたが、その後HAPSの標準高度である7万フィート以下に低下して失敗しました。今回のPoCフライトは、この過去の記録への挑戦になると期待されます。

Space Compass社は、Aalto社と契約を結び、Space Compass社の “Space Integrated Computing Network” の一環として、日本からHAPSを使った通信・地球観測サービスに取り組むとしています。

なお、エアバス、NTT、ドコモ、スカパーJSATは以前、2022年1月にHAPSによる接続サービスを共同検討するために提携した経緯があります。

”Space Integrated Computing Network”は、GEO静止衛星、LEO衛星、HAPS、地上局、そして宇宙空間のデータセンターを利用した、様々な宇宙ベースのICTインフラを提案したものです。

Space Compass社と宇宙通信インフラ開発会社Skyloom社は、この”Space Integrated Computing Network”の一環として、2024年にアジア地域でGEOデータ中継サービスを開始し、2026年までに全世界へと拡大する計画を発表しました。このシステムは、光・レーザー通信端末を使用し、GEO衛星から直接クラウドへのデータ転送を実現します。

今月初め、Space Compass社はAxelspace社と提携し、Axelspace社の高解像度地球観測プラットフォームでSpace Compassのデータ中継サービスを利用できるようにしました。

また、コンピューティングネットワークプロジェクトの一環として、NTTとスカパーは2021年に、2025年に宇宙へデータセンターを打ち上げる計画を発表しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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