GoogleがAI企業Anthropicに3億ドルを出資、クラウド顧客としても獲得

OpenAIの元スタッフらが立ち上げたスタートアップ企業

Googleが人工知能(AI)企業のAnthropic社に出資したことが報じられました。

Financial Timesは、Googleが2022年後半に3億ドルの資金をこの企業にひそかに投入していたことを報じています。

この出資により、Googleは同社の10%の株式と、独占的なクラウド契約を手に入れました。

「有用なAIシステムのトレーニングおよび展開において、Google Cloudと提携できることにワクワクしている」と、AnthropicのCEO、Dario Amodeiはこの投資がリークされた後にこのようにコメントしました。「我々はGoogle Cloudのオープンかつ柔軟なインフラに好印象を持っている。今後数ヶ月の間に、Googleと提携し、システムのスケールアップを進めていけることに興奮している」

Anthropic社が開発しているAIモデルは、膨大なコンピューティングリソースを必要とすると思われ、今後はそれをGoogle Cloudが担うことになります。

この取引は、マイクロソフトがOpenAIに出資し、Microsoft Azureを使ってChatGPTやDall-Eなどのモデルをトレーニングしているのとほぼ同様のものと思われます。

Anthropicは、それ自体がOpenAIとやや似ており、独自のChatGPT風チャットボット「Claude」の開発を進めています。

同社は、OpenAIの元研究担当副社長であるAmodei氏と、OpenAIの元スタッフ数名によって設立さ れました。

彼らは、OpenAIが「AIの害悪を抑えることに注力する非営利団体」から、業界を揺るがす「初期段階の製品」をリリースする営利事業へと転換したことに異を唱え、Anthropicを設立しました。

Anthropicは、”信頼性が高く、解釈可能で、舵取りができるAIシステム “の開発を目指すとしています。

ただし、マイクロソフトがChatGPTで行ったように、Googleが彼らの製品を自社製品に統合する計画があるかどうかは明らかになっていません。

Googleは、独自開発のチャットボットや、その他のAIツールなども開発しています。2月8日に開催予定の「AI and Search」イベントでは、そうした製品をリリースする準備が整っているかについての詳しい情報が提供さ れるかもしれません。

「Googleでは、AIを大胆かつ責任を持って追求していくことが必須だと考えている 」と、Googleのテクノロジー&ソサエティ担当SVPであるJames Manyikaは述べています。「私たちは、人間の価値と安全性に基づいた責任ある原則を適用し、研究、経験、ユーザー、そしてより広いコミュニティから学びながらアプローチを進化させ、有用かつ有益なアプリケーションを開発し提供することを約束します。Anthropicとのパートナーシップは、その理念に沿っているのです」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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