Microsoftがスウェーデンで333万トンの炭素回収契約に調印

バイオマス炭素回収プロジェクトでStockholm Exergiと提携

Microsoftが、これまでで世界最大の炭素回収契約を締結しました。

Stockholm Exergiは今週、スウェーデンに建設予定のバイオマス発電所から炭素を除去する契約を、Microsoftとの間で結んだことを発表しました。

この契約は、ストックホルムのVärtanにある炭素回収・貯留(BECCS)を伴うバイオエネルギーから、永久炭素除去量333万トンをカバーするとのことです。

BECCSとは、バイオマスを直接燃焼させてエネルギーを生成するプロセスからCO2を回収し、永久に貯蔵するものです。

同社のエネルギー・炭素除去担当、上級責任者のBrian Marrsは、次のように述べました。「Stockholm Exergiが提供する最先端のVärtan BECCSプロジェクトから、炭素除去オフテイクを発表できることを大変誇りに思います。既存のバイオマス発電所を活用することは、世界的な炭素除去能力を築くためにも重要な第一歩です。」

この契約は10年間に及び、2028年に開始される予定です。Stockholm Exergiのプラントが稼働すれば、年間最大80万トンのCO2が、大気から永久に除去されることになります。

同社のCEOは、次のように述べました。「Microsoftとの契約は、 BECCSプロジェクトのみならず、Stockholm Exergiという企業、また地球環境にとっても大きな前進です。この合意は、野心的な気候変動を目標に掲げる企業を鼓舞するものであり、我々は今後数か月のうちに、他の先駆的企業とのさらなる契約を発表することを目標としています。」

プロジェクトの環境許可は今年3月に取得されました。炭素回収装置、液化、中間貯蔵の建設は、2025年に開始される予定です。

一方、同社はプロジェクトの最終投資決定を、今年第4四半期に予定しているとしています。プロジェクトの資金調達は、EUイノベーション基金からすでに交付されている資金に依存していますが、取引の最終的な完了手続きのためには、炭素除去ユニットの販売による追加収入が必要であるようです。

Microsoftは、炭素回収プロジェクトへの主要投資家であり、カーボンニュートラルのみならず、過去の排出量を除去することも目指しています。

同社は、いくつかのバイオ炭取引に調印しており、Carbon Streamingとの間では、バージニア州にあるバイオ炭サイトからの購入契約を締結しました。

その他、同社が手がける炭素回収プロジェクトの例としては、昨年締結したHeirloomとの30万トンの取引があります。このプロジェクトでは、空気中の炭素は直接、酸化カルシウムのシートに除去されます。

Meta、Alphabet、Coltはいずれも炭素回収に投資しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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