Singtelがシンガポールの古いデータセンター5カ所を閉鎖へ

5つの施設は合計で 「数MW」との報道

シンガポールの通信事業者Singtelは、AIに特化した新しいデータセンターへの移行を進める中、5つの古いデータセンターを閉鎖する運びです。

Singapore Business Timesは1月、Singtelが新ブランドのNxeraの下、より環境に優しく、AIに対応したデータセンター建設に重点を移すため、同国内にある5つの古いデータセンターを順次閉鎖することを報じました。ComputerWeeklyによると、同社は新しいDC Tuas施設に顧客を移行するとのことです。

1月時点で詳細は明らかにされていませんでしたが、地元ジャーナリストでDCDの寄稿者でもあるPaul Mahによると、閉鎖される5施設は、NCS Hub (AMK)、Comcentre 3、Kim Chuan DC 1、NCS Bedok、Telepark DCだとのことです。

DCDはSingtelに詳細を問い合わせています。

これらのサイトの多くは、オフィスビル内にあるレガシーデータセンターです。 Mahは、これらのサイトは「ほんの少しのMW」に過ぎないと指摘しました。

2022年のSingtelのプレゼンテーションでは、この5つのサイトは1.1-5MWの「Gen 1」データセンターと説明されていました。

Mahによれば、5つのデータセンターは、昨年分社化されたSingtelのDigital InfraCo部門には移管されなかったとのことです。

NCSグループは、Singtelのテクノロジー・サービス子会社です。1981年にシンガポール政府の機関として設立され、1996年に民営化された後、1997年にSingtelの一部となりました。

DC Byteによると、NCS Bedokは2000年代初頭に開設され、2010年に拡張工事が行われたようです。SingtelはSunStep Globalとの13年間の電力購入契約の一環として、2020年にこの施設の屋根に4,300枚近いソーラーパネルを設置しました。

Comcentre 3は、31 Exeter Roadに位置するSingtelの本社にあります。同通信事業者は2022年、世界的な不動産グループであるLendleaseと提携し、この敷地を再開発しました。業界関係者によると、このデータセンターは「ほんのひと握りのラック数」のようです。

Kim Chuan Road 38に位置するKim Chuanキャンパスは、Kim Chuan DC 1とKim Chuan DC 2の2棟で構成されています。後者は2010年にオープンしました。

Telepark DCは、8階建てのオフィスタワー、5 Tampines Central 1にあります。

SingtelのNxeraは、シンガポールの3つの拠点で62MWの既存容量を持ち、APAC全体で200MW以上の容量を開発しています。

Singtelは2023年8月、DC Tuasとして知られるシンガポールの最新施設に着工しました。2025年に稼動予定のこの8階建ての建物は、12万平方フィートにわたって58MWのIT負荷容量を提供します。

NxeraはDC Tuasの他に、 Singtel から57万平方フィート、41MWのDC West施設、21MWのKim Chuan DC 2も引き継ぎました。

同社は2024年7月、マレーシアのジョホール州に64MWのデータセンターを着工しました。NxeraとSingtelは、インドネシアのTelkom、Medco Power、タイのGulf Energy、AISとも提携し、それぞれバタム島とバンコクでデータセンターを開発しています。

SingtelのNxera地域データセンター事業は、2023年6月に設立されたDigital InfraCoの一部です。KKRは昨年、Singtelのデータセンター事業の株式20%を8億ドルで取得しました。

シンガポールは2019年以降、新たなデータセンター開発のモラトリアム(一時停止措置)をとっていますが、すでに認可された施設はこの時点以降も建設が認められています。このモラトリアムは最近若干緩和され、Equinix、マイクロソフト、AirTrunk、GDSには80MWの新規容量追加の許可を与えられています。政府はまた、既存施設の効率化を推進することで、新たなキャパシティを確保しようとしています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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