独占:Iridium、「Project Authentic」を発表 完璧なPNT認証を約束

PNT認証分野を重要な成長領域と位置づけ、イノベーション推進に向けて多額の投資を実施

衛星通信事業者であるIridiumは、データセンターをターゲットとした新しい測位・航法・時刻(PNT)ソリューションを開発しています。

同社はDCDに対し、現在この新技術の初期段階にあり、「Project Authentic」という仮称で開発を進めていることを独占的に明らかにしました。この技術は、データセンターに設置された認証サーバーを介し、衛星ネットワークとユーザーのデバイスを用いて位置情報を認証する新しい手法を採用しています。

IridiumのCEOであるMatt Deschは、PNT技術についてDCDに対し、次のように述べています。「我々の測位・航法・時刻(PNT)技術は現在、信頼できるロケーションおよび認証ソースとして製品化を進めています。これはIridiumが取り組んでいる革新的な分野であり、他の方法では実現できないものです。まだその初期段階にあります。このことについて話せるのは、他社はできていないからです。」

Iridiumは2024年、セキュア衛星PNTおよびGPS・GNSSシステム保護の分野でリーダー的存在のSatelles Inc.を買収しています。

この買収により、Satellesの衛星時刻・位置情報サービス「Satellite Time and Location(STL)」製品を5G基地局やデータセンター、その他類似施設などに導入することが可能になりました。この製品は、外部アンテナを必要としない低コストなハードウェアで、衛星測位の脆弱性を解消します。Iridiumは買収前からSatellesの20%株式を保有しており、残りの株式取得に1億1500万ドルを支払っています。

Matt Deschによると、今回の買収によりPNTは統合後の会社にとって主要な成長領域になりました。この分野への注力が、同氏が主張するIridiumの技術的ブレイクスルーを後押しした形です。Deschはさらに、次のように話しました。「このASICは時間と場所だけでなく、さまざまな方法で活用できます。認証サーバーを使えば、デバイスの位置を証明することができるのです。今日の認証業界は10億ドルを超える規模で、パスワードや多要素認証でユーザーを認証していますが、それでも不正行為はかつてないほど蔓延しています。私たちができることは、何がどこにあるかを明確に証明することです。これにより、他の場所から攻撃を仕掛ける犯罪者やハッカーを阻止できるでしょう。」

また同氏は、大手企業と同社の新しい技術をどのように活用するかについて協議していると述べ、この技術には変革をもたらす可能性を秘めていると確信していると語っています。

このソリューションを最適に提供する方法をまだ模索中で、現段階では明らかにできることは限られているようですが、Deschはデータセンターが正確な時刻に大きく依存しているとして、次のように述べています。

「データセンターは、ラック間だけでなく接続するすべての機器間において正確な同期が必要なハードウェアで構成されています。データセンターが保持する時刻が改ざんや妨害のリスクにさらされていることを世の中が認識し始めています。データセンター運用者はより高いレジリエンスを求めています。

さらに同氏はイラン戦争の結果として、こうした問題の多くに見舞われている湾岸地域のデータセンターについても言及しました。

「当社のPNTシステムは、バックアップ時刻ソースとして非常にコスト効率が高いです。これは主要な証券取引所でも使用されている方式と同じです。データセンターはすべてが同様の冗長性を必要としており、Iridiumのソリューションはすでに利用可能です。一方、現在利用可能な地上ベースの代替手段はせいぜい地域限定かローカルなものであり、その多くはゼロから構築する必要があります。」

Iridiumは、新しいPNT用ASICを7月にリリースする予定です。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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