インテル、オハイオ州コロンバスに200億ドルの半導体工場を建設、「地球最大のシリコン製造拠点 」となることを表明

インテルは、オハイオ州コロンバスに200億ドルの半導体製造工場を建設中との報道を認めました。

同社CEOのパット・ゲルシンガー氏はTime誌に対し、この拠点が大きく成長することを計画しており今後10年間で1,000億ドルをこの工場に費やす可能性があると述べています。この施設は同州における単一の民間投資としては最大規模となります。

同氏は「私たちが期待しているのは、ここが地球上で最大のシリコン製造拠点になることだ」と語っています。同社は2,000エーカーの土地と最大8つの工場に拡張するオプションを持っており「私たちは、シリコンバレーを作る手助けをした。今度は、シリコンハートランドを作るのです。」

当初の計画では、1,000エーカーの敷地に2つの工場を建設し、少なくとも3,000人の従業員を雇用が見込まれており、同州のリッキング郡で今年から建設が始まり、2025年までに第1期工事が完了する予定です。

同社は世界的なチップ不足を利用して、オハイオ州からの優遇措置に加え、インセンティブを得ることを期待してます。Intelの製造、サプライチェーン、オペレーション担当上級副社長のキーバン・エスファルジャニ氏は、「オハイオ州におけるIntelの事業拡大の範囲とペースは、CHIPS法からの資金に大きく依存するだろう」と述べています。

エスファルジャニ氏は、昨年6月に上院で可決されたものの、その後、下院で停滞しているチップ産業に対する520億ドルの補助金制度について言及しています。バイデン大統領のBuild Back Better(より良き再建)法案に盛り込まれた米国製半導体促進法(Facilitating American-Built Semiconductors :FABS) Actもバイデン氏の旗艦法案が12月に崩壊した後、検討段階に留まっています。

インテルのオハイオ拠点は、アリゾナでの200億ドル規模の拡張や、ヨーロッパでの大規模増設と並んで、他社のためにチップを製造する企業として自己改革する取り組みの一部です。同社はすでにオレゴン、ニューメキシコ、アイルランドに工場を持っており、マレーシアにも建設中です。

しかしこうした取り組みには課題もつきものです。つまりインテルは自社の需要を満たすのに十分な高度なチップを作ることさえできず、競合する台湾積体電路製造(TSMC)に頼らざるを得なくなっています。

7nmチップの開発に苦戦しロードマップを遅らせた後、昨年ハイエンドメーカーであるTSMCと契約しました。しかしこの契約は一時的なもので、キャッチアップを期待しています。(一方TSMCは5nmと3nmのチップを開発中で、今年440億ドルを工場に費やす予定)

インテルはまた、現在インテルとAMDにしか提供されていないx86チップアーキテクチャをライセンス供与することで、顧客を獲得したいとも考えています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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