Samsungと新興企業M3、浮体式データセンターの開発へ

液冷サーバー経験を持つエンジニア設立のスタートアップ

Samsungの海洋工学部門であるSamsung Heavy Industries(三星重工業 以下、SHI)は、新興企業のMousterian Corporation(以下、M3)と提携し、浮体式データセンターの開発に向けた契約を締結しました。

テキサスを拠点とするM3は、SHIと協業し、「世界規模で機関投資家向けに浮体式データセンタープロジェクトを共同開発・提供する」ことを目的としています。

この契約に基づき、M3は開発、用地確保、テナント獲得、プロジェクト遂行を主導します。一方SHIは、大規模な海上建設資産に関するエンジニアリング、製造、および配送体制を提供します。両社は、複数の管轄海域にまたがる浮体式データセンター開発のポートフォリオを推進する意向です。

M3のCEOであるMin Suhは次のように述べています。「SHIのような一流企業が当社の開発プラットフォームに加わることで、浮体式データセンターの資産クラスの制度的な実現可能性が証明されます。また、SHIの造船規模、財務基盤、高度なエンジニアリングノウハウとM3の高性能浮体式データセンター、顧客との関係、資本市場へのアクセス、電力パイプラインを組み合わせることで、従来のアプローチでは実現できない短期間でGW規模のデータセンターの提供を可能にし、非常に信頼性が高く低リスクの手段を顧客に提供できます。」

M3は今年初めに急に市場に登場した企業で、テキサス州ダラスに拠点を置いています。同社の共同創業者2名は、かつてカリフォルニア州で浮体式データセンターを構築していたNautilusに所属していました。DCDは2022年にNautilusの施設を取材しましたが、このデータセンターは2024年に売却対象となりました。

SHIの最高技術責任者(CTO)兼副社長であるYoung-kyu Ahnは次のように述べています。「浮体式データセンターは、造船技術をデジタルインフラ領域へ拡張する新しいビジネスモデルです。環境に配慮したエネルギーソリューションと組み合わせることで、世界のデータ市場における新たな基準を確立し、将来の成長をけん引する重要な原動力となります。」

M3は自社のウェブサイト上で、テキサス州ヒューストンのCCGT発電所に隣接する500MW規模のプロジェクト「Project Zeus」の計画を紹介しています。この「浮体式と陸上式を組み合わせた」施設は、2028年上半期に稼働開始予定とされています。

また同社はカリフォルニア州サンノゼ近郊に建設される860MW規模の浮体式データセンター「Project Sandpiper」も計画しています。このプロジェクトは2029年に稼働予定とされています。

世界各地の企業が浮体式データセンターの開発に取り組んでおり、多くは土地取得コストの上昇やスペース不足といった課題に対する代替手段として、陸上型施設よりもコスト効率が高い選択肢になると見ています。

Keppelはシンガポールで25MWの海上データセンターの建設を開始しており、2028年の稼働を予定しています。また米国のPanthalassaは、海上の波力を活用した海上データセンターの構想を進めています。

さらに洋上風力発電企業Aikidoもデータセンター分野への参入を発表しており、モジュール型AI向けデータセンターを統合した洋上風力プラットフォームを展開しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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