インテル、過去最大の四半期赤字、データセンター&AI部門は史上初の赤字に

これがどん底であることを願う

インテルは厳しい第1四半期を終え、伝統的に安泰な稼ぎ頭であった部門も含め、過去最大の損失を計上しました。

同社のデータセンター&AI部門は、収益が38.4%減の37億2000万ドルとなり、史上初の赤字を計上しました。昨年、この部門は16億9000万ドルの利益をもたらしましたが、今回は5億1800万ドルの損失となりました。

全体としては、インテルは今四半期、28億ドルの損失を計上しました。しかし、同社はPC市場の回復の兆しを示すとともに、競争力のあるデータセンター向けチップの登場を示唆しています。

CEOのPat Gelsinger氏は決算説明会で次のようにコメントしました。「クラウド及びエンタープライズが依然として低調である中、サーバー及びネットワーク市場はまだ底を打っていない。データセンター&AI部門の収益低下は、データセンターの需要低下と “競争圧力 “によるものである」

競合するAMDは、インテルの市場シェアとマージンを食い荒らしています。

しかし、「第1四半期は、私がCEOに就任して以来、データセンターのポジションが改善した最初の四半期としてターニングポイントとなった」とGelsinger氏は主張し、「Sapphire Rapidsの立ち上げ、23年後半のEmerald Rapids、さらに2024年のGranite Rapidsや Sierra Forestなどのスレートチップを視野に入れている」と指摘しました。そして3 点目として、「23 年後半に Meteor Lake を立ち上げ、2024 年に Arrow Lake と Lunar Lake をローンチする」としています。

また、ネットワーク・エッジ部門については、収益が30%減の15億ドルとなったことを報告しました。

クライアント・コンピューティング部門(PCなどのコンシューマ向けチップ)の収益は58億ドルで、年次ベースで38%減となりました。しかし、Gelsinger氏は「在庫の是正がほぼ期待通りに進んでおり、PC市場の安定性は増している」と述べ、「今後数ヶ月で改善するだろう」との見方を示しました。

同社は現在、TSMCと同様に他社向けのチップを製造するサードパーティファウンドリー事業への転換を図っている最中です。

「当社のファウンドリー事業は一朝一夕に実現できるものではなく、活気あるファウンドリー・エコシステムを構築するには時間がかかることを理解している」とGelsinger氏は言います。「しかし、ファウンドリーの成功は、半導体の地理的な多様性と安全な供給を確立するために極めて重要であることも認識している」

同氏はさらに次のように付け加えています。「コスト構造を改善し、業務の効率化を推進することで、当社の収益性は回復していくだろう」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。