Nvidiaが最新のA100 GPUでパフォーマンスの飛躍を発表
新アーキテクチャ”Ampere”に基づく
GTCバーチャルイベントで、チップメーカーのNvidiaは最新の GPU A100を発表しました。新アーキテクチャのAmpereに基づく最新のA100は、Nvidia史上で最大のパフォーマンスを実現したと言います。
そして、多くのクラウド事業者やサーバメーカーは、A100を今後組み込んでいくと発表しました。Nvidiaによると、トレーニング時で最新のVoltaアーキテクチャの6倍のパフォーマンス、 推論時で7倍のパフォーマンスであるとのことです。「FP32、つまり単精度では、INT8を使用するAI推論で、A100はVoltaの20倍のパフォーマンスを発揮する」と、DCDが参加した事前ブリーフィングの席で記者団に語っていました。「繰り返すが、Voltaの20倍強力であり、単一のGPUでペタオプスを超えるパフォーマンスを実現する。」
大きな飛躍
A100には540億個を超えるトランジスタがあり、同社はこれを世界最大の7ナノメートルプロセッサにしたと主張しています。「ダイサイズは816平方ミリメートル。一方の寸法は約26ミリメートル、もう一方の寸法は約32ミリメートル」とCEOのJensen Huang氏は記者団に電話で語っていました。
「そしてそれは基本的に今日の半導体製造での根本的な限界に近い。世界でこれまでに作られた中で最大のダイ、世界でこれまでに作られた中で最大のトランジスタ数を持つ。」
このチップはマルチインスタンスGPUをサポートしています。つまり、1基のA100を、独立したGPUとして最大7つまでパーテーションを分割できます。逆に、GPU間を接続するNVLinkテクノロジーのアップグレードにより、同社はA100サーバが「1つの巨大なGPUとして機能する」ことができると主張しています。
Alibaba Cloud、Amazon Web Services、Baidu Cloud、Cisco、Dell Technologies、Google Cloud、Hewlett Packard Enterprise、Microsoft Azure、Oracleは、A100 GPUをクラウドサービスやサーバ設計に組み込むと発表しました。
Covid-19パンデミックに伴い、サンタクララで行われる予定であったNvidiaの巨大なGTCイベントは中止され、代わりに基調講演がCEOのJensen Huang氏の自宅キッチンから本日配信されました。新型コロナウイルスが新しいGPUのロールアウトにどのように影響するかとの質問に対し、CEOはパンデミックを「ひどい悲劇だ」と答えましたが、しかし逆にクラウドの成長と共にNvidiaの今後の事業にとっては良い事であると返しました。
「人々は自宅に留まり、以前よりもはるかにクラウドコンピューティングを使用するようになり、ハイパースケーラーのコンピューティング需要は大幅に増加し、ビデオ会議も大幅に増加している。企業は、業務を継続する重要性もあり、多くのワークロードがクラウドへと移行していることを認識しており、そのため企業はハイブリッドコンピューティング環境を構築している。クラウドコンピューティング市場は今後急増していくだろう。」
「これはデータセンタービジネスにとって非常に良い事である。そしてAmpere A100はデータセンター向けに設計されている。例えば、スループットを向上させ、クラウドコンピューティングとクラウド内のAIのコストを劇的に削減できるような設計がなされている。Ampereは非常にうまく機能するだろうと期待している。これは、過去製造した中でも最高のデータセンター向けGPUだ。」
【補足】
NvidiaのAmpereチップは、Ampere Altraと呼ばれるArmチップを開発するチップメーカーであるAmpere社とは何の関係もありません。ただ両社の製品は、フランスの数学者であり物理学者でもある古典電磁気学の創始者の1人であり、ソレノイドや電気電信の発明者の1人であるAndré-MarieAmpère氏にちなんで名付けられています。
Data Center Dynamics
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