NASA、Blue Originの5万1,600基の衛星コンステレーション「Project Sunrise」に異議

宇宙機関が計画の技術的詳細に疑問を投げる

NASAは、米国通信規制当局であるFCCに対し、Blue Originの「Project Sunrise」衛星コンステレーションの申請について異議を申し立てる書類を正式に提出しました。

3月に初めて明らかになったこの計画では、ジェフ・ベゾスが所有するBlue Originは、データセンターの運用を軌道上に移行するため、高度500〜1,800kmの軌道に最大5万1,600基の衛星コンステレーションを構築させることを目指しています。同社はその根拠として、宇宙空間における「コンピューティング能力の限界費用が根本的に低いこと」を挙げています。

提出書類の中でNASAは、継続的な商業イノベーションを促進し、宇宙における米国の優位性の重要性を認識する姿勢を示しています。その一方で、Blue OriginのProject Sunriseコンステレーションについては、宇宙環境の長期的な安全性と持続可能性を確保するためには、相応の透明性、技術的厳密性、および他の宇宙利用関係者との調整が必要であると指摘しています。Blue Originとの早期かつ継続的な技術連携は、適切な緩和策を策定し、安全な宇宙へのアクセスを維持、友人宇宙飛行、国家資産、あるいは宇宙環境の科学的利用を損なわないようにするために不可欠であるとしています。

さらにNASAは、最大1,800kmという高度が重要な友人宇宙飛行経路や国家の科学資産と重複していると指摘しています。この高度帯はSpaceXのStarlinkでも長年議論の対象となってきた領域であり、深刻な宇宙ゴミ(デブリ)リスクを引き起こす可能性があります。さらにBlue Originが申請時に衛星の運用終了時の処理手順に対する関心が低いことが、この問題をさらに悪化させているといいます。また、衛星群の密度や配置に関する曖昧さ、ならびに打ち上げ市場に対する前提条件の非現実性についても注意を促しています。

衛星コンステレーションに対する国際的な反発を受け、イーロン・マスク率いるSpaceXは、9,300基以上の衛星を高度500kmより十分低い軌道まで下げることを約束しました。(訳注:しかし、天文学への配慮等は後手に回っています)

NASAは、Blue Originがミッション終了後の廃棄方法の設計に取り組んでいる点や、StarlinkやSpaceXの将来的な野心において大きな懸念事項である衛星コンステレーションが天文学に与える影響を考慮した点は評価しています。

ジェフ・ベゾスが創業したAmazonも、独自の衛星事業であるAmazon Leoがあります。同社は最近、打ち上げ計画の遅延により、FCCに対して24カ月の延長申請を行う必要に迫られました。

またAmazonは以前、SpaceXが「Starcloud」構想の一環として100万基の衛星打ち上げをFCCに申請した際にも、打ち上げの非現実性、多くの詳細が憶測に基づいている点、そして宇宙環境への影響などを理由に異議を申し立てています。

これに対しSpaceXは後に反論し、Blue Originの主張を「幼稚」で「単純すぎる」と公に批判しており、こうした応酬は巨大テック企業間の典型的な対立構図を示しています。

NASAは、同様のコメントを他の大規模衛星コンステレーション計画にも提出していると強調しており、おそらく政治的な議論を避ける意図があると思われます。NASAは、より現実的な計画の策定のため、Blue Originと緊密に協力することに関心を示しています。

今回のNASAの見解を踏まえると、FCCはBlue Originの申請を却下するか、あるいは5万1,600基の衛星がNASA資産とどのように連携し、デブリ問題をどのように緩和するのかについて、より詳細な技術データを含むより包括的な計画を要求する可能性があります。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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