SiPearlとSemidynamics、欧州ソブリンなラック規模のコンピューティングプラットフォームを開発

官民のAI推論ワークロードをサポート予定

フランスのチップ設計企業SiPearlは、Semidynamicsと提携し、欧州におけるソブリン・クラウドベースの推論ワークロードを支えるラック規模のAIコンピューティングプラットフォームを開発すると発表しました。

両社によると、このプラットフォームはSiPearlのArmベースのCPUとSemidynamicsのRISC-VベースのASICを組み合わせ、AIやギガファクトリー計画を含む、欧州の官民双方の取り組みを支援するとのことです。

SiPearlのCPUは、汎用計算、オーケストレーション、およびデータプレーンのホスティング機能を提供し、一方でSemidynamicsのASICはAI推論ワークロードの主要なアクセラレーションエンジンとして機能し、将来的なパフォーマンス拡張を可能にします。

ラック設計はOCP(Open Compute Project)規格およびクラウドおよびデータセンターのインフラ規格に基づいて構築されると両社は述べています。また、このプラットフォームのアーキテクチャは高スループットかつ高信頼性のクラウド展開向けに設計されており、常時大規模な処理能力を必要とするエンタープライズ向け推論サーバークラスターやAIワークロードに適しているとしています。

プロジェクトの第2フェーズでは、チップレットレベルでのさらなる統合が行われ、両社はリファレンスアーキテクチャ、マーケティング資料、および入札への対応を共同で管理する予定です。

SiPearlの最高経営責任者兼創業者であるPhilippe Nottonは、次のように述べています。「欧州プロセッサー・イニシアチブ(EPI)およびEUのソブリンエコシステムにおける長年の取り組みの成果がこのプラットフォームによって実を結ぶことを大変嬉しく思います。このことは、SemidynamicsとSiPearlが個別、または共同で積み重ねてきた体系的な進歩を示しており、CPUとアクセラレータという両社の強みを最大限に生かすものとなります。」

また、Semidynamicsの最高経営責任者であるRoger Espasaは、この協業の意義について次のように述べています。「SiPearlと協力し、AI推論プラットフォームの一部として欧州製CPUを提供できることを嬉しく思います。SiPearlの高性能CPUとSemidynamicsのRISC-VベースのAIアクセラレータ推論技術を組み合わせることで、欧州が独自管理のコンピューティングを中心としたソブリンなラック規模のAIインフラ構築に向けて信頼できる道筋を得ることができます。」

SiPearlは2020年にEPIの一環として設立され、スーパーコンピューターを駆動するために設計されたArmベースCPUであるRhea1プロセッサを開発してきました。

同社は2025年7月に1億3000万ユーロ(1億7600万ドル)のシリーズA資金調達を完了しており、既存投資家、欧州イノベーション評議会(EIC)ファンド、フランス政府(French Tech Souveraineté経由)、および新規投資家のCathay Venturesが参画しています。

スペインのRISC-Vチップ企業Semidynamicsは2016年に設立され、プロセッサ速度とメインメモリの帯域幅のギャップである「メモリウォール」問題を克服するために設計された、独自のGazzillionメモリサブシステム技術を組み込んだメモリ重視のAIインフラを開発しています。

2026年4月、メモリチップメーカーであるSK Hynixは「メモリ中心のAI推論アーキテクチャ」を推進するため、Semidynamicsに「戦略的投資」を行ったと発表しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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