NextDC、海外展開計画を表明、6億1,800万豪ドルの資金調達を計画

オーストラリアのデータセンター企業であるNextDCは、マレーシアのクアラルンプールとニュージーランドのオークランドでの新規プロジェクトとともに、世界的な事業拡大を計画していることを明らかにしました。

先月、NextDCはウェブサイトをひそかに更新し、ニュージーランド、マレーシア、そして日本における新データセンター計画の情報を掲載しました。その時点では、いずれの拠点もスケジュールや 仕様の詳細は明らかにされていませんでした。

そして今週、ASXに提出した書類の中で、同社が海外展開を進めていることが明らかにされました。同社は現在、マレーシアとニュージーランドの2つのプロジェクト、そしてオーストラリア・シドニーの既存施設のさらなる拡張のために、6億1800万豪ドル(4億1330万米ドル)の資金調達を目指しています。

クアラルンプールの「KL1」は、42,000平方メートル(452,100平方フィート)の敷地に、18,250平方メートル(196,450平方フィート)のITスペースと65MWの容量が設けられる予定です。このプロジェクトの投資額は2億5,000万豪ドルで、第1フェーズでは7.5MWが供給される予定です。同社は、ビジネス地区の中心部から10kmほど離れたこの敷地を、最近5,300万豪ドルで取得したと報じられています。

一方、オークランドでは、3,000平方メートル(32,300平方フィート)のITスペースと10MWの電力容量を提供し、今後15MWまで拡張する計画となっています。投資額は1億4,000万豪ドルで、第1期は1.7MWが提供される予定です。同社は最近、この敷地を2100万豪ドルで取得したと伝えられています。

この2つのプロジェクトは、2026年1月の運用開始を目指し、来年から建設が開始される予定です。

NextDCのCEOであるCraig Scroggie氏は次のように述べています。 「マレーシアとニュージーランドへの進出は、当社の成長戦略における重要なマイルストーンとなるものであり、大変嬉しく思う。過去10年間のオーストラリア市場での成功体験に基づき、これらの新市場で当社の実績あるビジネスモデルの再現をめざしていく。また、これまでと同様、企業、接続、クラウド、マネージド・サービス・プロバイダーの顧客からなる高度に多様なエコシステムを構築することに注力していく。ニュージーランドとマレーシアは、オーストラリア国外での初のグリーンフィールドの地理的拡大機会であり、私たちは今後の可能性に期待している」

NextDCは現在、シドニーメルボルンブリスベンパース、ポートヘドランド、キャンベラ、サンシャインコースト、アデレード、ダーウィンとオーストラリア全域でデータセンターを運営しています。同社は今年1月、4億豪ドル(2億7900万ドル)の債務枠を確保しました。これは、HSBCとNABがすでに合意していた25億豪ドルの借入金に加え、アジア太平洋地域における同社の成長意欲を満たすための資金を調達するものです。

また、NextDCは、シドニーにあるS3の契約稼働率が上昇したことを受け、同施設の改修工事を加速することを決定したと発表しました。同社によると、S3の総発電容量80MWのうち46%が契約済みであり、同施設の現在の構築容量を「大幅に上回っている」としています。

同社が今回調達する6億1800万豪ドルのうち、2億5000万豪ドルはKL1の建設に、1億4000万豪ドルはAK1の建設に、1億5000万豪ドルはS3の建設に使用され、残りは一般的な会社経費およびトランザクション費用に充てられます。

この資金調達は、1対8のpro-rata accelerated non-renounceable entitlementオファーによって行われます。このエンタイトルメント・オファーでは、既存の発行済み株式の12.5%に相当する約5720万株が、今月末に10.80豪ドルのオファー価格で発行される予定です。

なお、今回のオファーに関して、NextDCの財務アドバイザーはCadence Advisoryが、法務アドバイザーはHerbert Smith Freehillsが務めています。

同社がASXで発表した事業拡大と資金調達に関するプレゼンテーションによると、同社はシンガポールへの進出についても検討しているとのことです。ただし、その詳細については明らかにされていません。

ウェブサイト上に掲載されているにもかかわらず、日本の東京での開発についても、まだ評価段階とされています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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