マイクロソフトがスイスのデータセンター拡大に4億ドルを投資

ソブリンAI向けにチューリッヒとジュネーブの拠点を拡張へ

マイクロソフトがスイスのデータセンター容量を拡大します。

同社は今週、この4億ドルの投資は「スイスのクラウドAIの能力をさらに強化するもので、最先端のGPUの提供を含む」とし、「6年前の現地データセンターの立ち上げから2022年のマイクロソフトイノベーションハブの開設に至るまで、スイスのデジタルの未来に対するマイクロソフトの長期的なコミットメントを強調するものであり、イノベーション、デジタルレジリエンス、AIの普及に対する継続的な戦略的投資を通じて、このビジョンを強化する」と発表しました。

マイクロソフトは、クラウドとAIサービスの需要拡大に対応するため、チューリッヒとジュネーブ近郊にある既存の4つのデータセンターを拡張すると述べていますが、詳細は明らかにされていません。

マイクロソフトは2019年、スイス北部はチューリッヒ、スイス西部はジュネーブの2つのスイスAzureリージョンを立ち上げました。2022年にはノースリージョンにアベイラビリティゾーンを追加し、西側のサイトは「予約済みアクセスリージョン」に再分類されました。

マイクロソフトのブラッド・スミス副会長兼社長は、「スイスは、世界トップクラスの研究と実用的なアプリケーションを組み合わせた、世界有数のイノベーションエコシステムを構築してきました。マイクロソフトは30年以上にわたり、スイスのお客様に寄り添ってきました。今回の投資は、スイスの長期的な経済回復力と競争力のさらなる強化に貢献すると同時に、すべての規制要件への完全な準拠を保証するものです」と述べています。

世界的なデータセンター撤退の報道にもかかわらず、マイクロソフトは最近、今後2年間で欧州のデータセンターの容量を40%増やすことをコミットしています。

同社によると、スイスの拡張により、5万人以上の既存顧客にサービスを提供する一方、すべてのデータがスイス国内にとどまることを保証するとのことです。クラウド企業のスイスの顧客には、UBSやルツェルン州立病院などが名を連ねています。

マイクロソフト・スイスのCatrin Hinkel最高経営責任者(CEO)は、次のようにコメントしました。「我々のスイスへのコミットメントと投資は36年前にさかのぼります。我々は、顧客とパートナーをサポートするという使命に引き続き全力を尽くします。AIの真の可能性は、イノベーションと実用的な実装が出会うことで発揮されます。私たちは、テクノロジーがビジネスと社会に大きな付加価値を生み出すよう、スイスの革新力を牽引していきます。」

マイクロソフトは、スイスにおけるこれまでの電力消費量すべてを再生可能エネルギーの購入で賄ってきたと述べています。昨年、同社はスイスのNeustarkと、スイスとドイツのプロジェクトを通じて、2万7600トンの生物起源炭素の除去・貯蔵に関する6年契約を締結しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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