
Aresが日本に特化した24億ドルのデータセンターファンドを組成
Ada Infrastructureが建設した東京の3施設に投資
オルタナティブ投資マネジャーのAres Management(Ares)が、同社初のデータセンター専用ファンドをクローズしました。
同社は今週、データセンター投資と開発に特化したAres初のビークルであるJapan DC Partners I LP(JDC I)の最終クローズを発表しました。
総額約24億ドルのエクイティコミットメントにより、Aresはこれを日本最大のデータセンター投資ファンドのひとつにすると発表しています。
JDC Iはまず、首都圏にある3つのデータセンターキャンパスの開発に投資し、合計で約24万MWのIT負荷を提供する予定です。
これらの施設は、AresのデータセンタープラットフォームであるAda Infrastructure(Ada)によって開発・運営されます。Aresは昨年、APACの産業不動産会社GLPからAdaを買収しました。
Aresはまた、将来的に日本での追加投資機会を期待していると述ベています。
カナダ年金プラン投資委員会(CPP Investments)は、このファンドに約13億ドルのエクイティコミットメントを行いました。AresにAdaを売却したGLPもこのファンドの投資家です。
Aresの共同社長であるBlair Jacobsonは、次のように述べています。「この成果は、AresとGCPインターナショナルのプラットフォームが日本のニューエコノミー分野にもたらす先進的な投資・開発能力を強調するものであり、CPPインベストメントを含むファンドの投資家の皆様からの意義深いご支援に感謝しています。AIやクラウドコンピューティング技術の導入が進むなか、日本は世界のデータセンターエコシステムにおいて重要な市場となっており、今回の資金調達により、Aresは供給の制約に対処できるようになると考えています。」
Ada Infrastructureは、ロンドン、東京、大阪、サンパウロを含む市場で、1GW以上の容量を持つ複数の大規模なハイパースケール開発プロジェクトを所有・運営しています。
開発プロジェクトには、イースト・ロンドンのRoyal Docksにある21万kWのデータセンターキャンパス(2024年6月に計画認可決議)や、昨年5月に起工式が行われた3万1000kWのTOKYO WEST 1キャンパスなどがあります。
Adaは、日本全国に合計5つのデータセンターキャンパス、合計600MWのIT負荷を計画しています。そのうち4つは東京に設置される予定で、TKW1(3棟で31MW、今年稼動予定)、TKW2(8棟で295MW、2028年稼動予定)、TKE1(3棟で67MW、2027年稼動予定)、TKE2(4棟で190MW、2027年稼動予定)、そして大阪に1つ(1棟で16MW、2028年稼動予定)です。
CPP Investmentsのシニア・マネージング・ディレクター兼不動産グローバル・ヘッドであるMax Biagoschは、次のように述べています。「データ処理と消費のニーズの高まりにより、アジア太平洋地域におけるデータセンターの需要は増加し続けています。アジア最大級のデータセンター市場である日本は、効率的なデータ転送を促進するため、アジアと北米をつなぐ重要な役割を果たしています。このファンドへのコミットメントは、当社のグローバルデータセンター戦略をさらに推進し、CPPの拠出者と受益者に魅力的なリスク調整後リターンを提供します。」
Aresの運用資産は約5,460億ドルで、北米、南米、欧州、アジア太平洋、中東で事業を展開しています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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