あつ森でデータセンター運用を学ぶ【特集】
現場運用②【IT側】
ラッキング作業
データセンターのサーバールーム内には、サーバーやスイッチなどの機器を収容するラック(あるいはキャビネット)が設置されています。
サーバーやスイッチなどの機器、そしてそれら機器を収容するラックについては米国電子工業会が定めたEIA規格に従い作られています。規格では、機器の幅は482.6 mm(19インチ)、高さは44.45 mm
ラックの任意の場所(ユニット)に機器を設置することをラッキングと言います。機器を設置するには「マウントレール」と呼ばれるネジ穴付きのレールに機器の取り付け金具をネジで固定します。ネットワークスイッチなどの軽量な機器は機器の前面側のみで固定されますが、ラックマウント型サーバーなど奥行の長い機器や、ラックマウントUPSのような重量物は前背面のレールを使って固定されます。
ラッキングを行う前には、機器とラックの奥行を確認し、ラック内に物理的に収容できるか?、そして収容後にケーブルを配線した場合にケーブルがラック内に収容できるか?ドアが閉まるか?などを気を付ける必要があります。
尚、サーバーなどの機器は重量物です。1Uの機器はおよそ10kg程度の重量であり、3Uだと30kg程度にもなります。それらを手持ちでラッキングすると、手が滑って落下事故が起きる可能性もあります。落下による作業員の負傷や、機器が破損してしまうリスクも起こり得るので、慎重な作業が求められます。
ちなみに、最近では50Uといった高さが2mを超えるラックもあり、高所へのラッキング作業は手作業で行うのはもはや困難です。
そのような様々な問題を解消するために、「サーバーリフト」と呼ばれる装置が利用されます。尚、サーバーリフトは約1000kgまでの機器が取り扱えたりします。
【まめ知識】1ユニット(U)サイズが44.50mm(1.752インチ)となり、19インチラックの仕様が現在の形になったのは1992年のEIAによる標準改定によりますが、19インチラック形式は実に遡ること1922年頃にAT&T社により既に標準として確立されていました。
サーバーメンテナンス
サーバー機器には、OS(オペレーションシステム)や様々なプログラムやアプリケーションソフトウェアがインストールされています。当然それらの設定変更や、バージョンのアップデートなどのメンテナンス作業は日常的に行われます。
1台のサーバーラックには数台から数十台のサーバーなどの機器が搭載されます。それらサーバーのインターフェースポートは、KVMスイッチと呼ばれるキーボードマウス&ディスプレイ切り替え機に集約され、エンジニアは複数サーバーを切り替えながら操作します。また、コンソールドロワーと呼ばれるキーボード・マウス・ディスプレイ一体型デバイスもKVMスイッチと共に利用されます。
尚、KVMスイッチはリモートPCからの操作も可能ですが、通常のIPベースのリモートアクセス(リモートデスクトップなど)と違い、BIOSレベルからアクセスが可能な為、サーバーの緊急時のメンテナンス用で役に立つ製品として利用されています。
巡回目視監視
お客様のICT機器を預かる「ハウジング」や「コロケーション」データセンターでは、機器の各種インジゲータの表示状況を、目視により確認するサービスを提供しています。
これは、データセンター事業者の運用スタッフが、契約ユーザーに代わり現地での簡単なアクションを代行するサービスで、これによりユーザーは現地までの移動時間や作業工数を抑えることが出来、効率的です。
また、目視確認以外にも、電源ボタンのOFF/ONであったり、ケーブルのポートからの挿抜などを代行する場合もあります。
これらを総称して「リモートハンド」サービスなどと呼ばれたりします。
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